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2月5日(日本時間は6日)、全米ナンバーワンのアメフトチームを決める「NFLスーパーボウル」が開催される! 「スーパーサンデー」とも呼ばれ、アメリカ中が大熱狂するという1日限りのスポーツイベント。一体どのくらいスゴイの!? 米ハーバード大学を卒業し、アメフト大好きのパックン氏に聞いた。
「全米視聴率は毎年50%ほど。日本の人口とほぼ同数の人間がテレビにかじりつきになります。当日の午後はお店もいっぱい閉まるくらい。
とにかくアメリカ人のアメフト熱はスゴイんです! 日曜はアメフトが見たいからという理由でミサに人が集まらず、土曜の夜にミサを行なう教会まで出てくる始末。夫がアメフトに熱中しすぎて妻に構ってあげられず、“アメフト未亡人”と名乗る女性がたくさん出てきます」
そう、尋常じゃない熱量なのだ!
「さらにスゴイのは、その経済効果。電化製品店では“スーパーボウル需要”でテレビの買い替えがこの時期に集中し、750万台が売れるといいます。
そのようなこともあって、企業CMもスゴイ! スーパーボウル放送中に30秒流す権利は5億円以上。
もはや、一日で起こる社会現象!
他にも、CSでNFL実況を務めた経験のある、タレントのタージン氏が声を大にしてこう語る。
「昨年の50回記念大会を現地で取材させてもらったのですが、とにかく熱気がスゴイ! 何日も前からエクスペリエンスというイベントがあり、選手の人形や看板、アメフトの体験会などに老若男女がたくさん集います。当日もスタジアムに入れない人たちが周りを取り囲んで、チームのユニフォームや仮装をしながらBBQ(バーベキュー)をして大騒ぎ。街全体がお祭りムードになるんです」
スゴそう……。
「スーパーボウルを生で見られるなんて一生に一度あるかないかですから。オリンピック並みの価値があるんですよ。
ふむ。とにかくスゴイということはビンビン伝わった! では、実際に見てみようとする人に向けてアメフトの魅力を簡単に教えてもらおう!
「選手の身体能力に注目ですね。100mを10秒台で走る陸上選手並みの選手もいます。たとえるなら、ウサイン・ボルトとカール・ルイスが全速力で走ってきて、ガチンコでぶつかっているようなもの。こんなエキサイティングなスポーツを見られるのはこの世でアメフト、NFLしかありません」(パックン)
強烈です!
「あと、ルールが複雑だと思っている人もいるかと思いますが、実は単純明快。攻撃はパスかランかしかない。
もともと日本人なら絶対にハマれるスポーツなんですよ。一プレー一プレーが相撲の立ち合いと一緒。ぶつかり合いの醍醐味です。
■今年の見どころはココだ!
さぁ盛り上がってきたところで、いよいよ今年のニューイングランド・ペイトリオッツvsアトランタ・ファルコンズのスーパーボウルの見どころを教えてもらおう!
1.ベテランvs気鋭のQB対決
「やはりQB(クォーターバック・パスを投げたりする司令塔のポジション)対決に注目です。ペイトリオッツのQBトム・ブレイディ(39歳)はスーパーボウルの出場6回、うち優勝4回のスーパースター。パスの精度はもちろん、ディフェンスを読み、瞬時にプレーを変える脳の瞬発力も無敵。
対するファルコンズのQBマット・ライアン(31歳)は初出場でも負けていません。パスの精度は素晴らしいし、走ってもよしで身体能力抜群。
「実は、ドラフト当時はブレイディのほうが評価は低く、全体で200番目くらいの指名でした。対するライアンは全体で3位指名というエリート。努力でのし上がったベテランが勝つか、気鋭のエリートが勝つか。そのような目線でも楽しみな試合です」(タージン)
2.コーチの戦い方にも注目!
「アメフトは戦術がモノをいうためコーチにも注目が集まります。まずはペイトリオッツのヘッドコーチ、ビル・ベリチック。彼は一般的にヒールな印象で通っています。過去に相手チームに対する盗撮疑惑もありましたし、今年はスーパーボウル進出を決めるプレーオフの前日に相手チームの宿舎の非常ベルが早朝に鳴りだしたらしく、一部ではベリチックの仕業なんじゃないかとウワサされるほどです。笑い話ですけどね。そんな策士がどのような戦術で臨んでくるか!?
対するファルコンズのヘッドコーチ、ダン・クインはディフェンスの戦術が素晴らしい。どこまでブレイディの攻撃に対応してくるか見ものです!」(タージン)
◆まだまだあるスーパーボウルの見どころを知って、スーパーボウルを楽しもう! この続きは『週刊プレイボーイ』7号「こんなに面白い! みんなスーパーボウル見ようぜ!!」にてお読みいただけます。
(写真/AP/アフロ)