試合会場にはDEEPのYUICHIROさんが応援に駆けつけた。自身も学生時代にGKとしてプレーしていたYUICHIROさんは開会式で「暑いので水分補強などに気をつけながら、思い出に残る一日にしましょう。みんな、サッカーを楽しんでください!」と子供たちにエールを送った。
予選リーグは4チームずつ13ブロックに分かれて、7分ハーフの試合が行われた。各ブロックの1位チームと、2位チームの成績上位3チーム、計16チームが決勝トーナメントに進出する。交代は自由で、熱中症対策として各コートに冷たいドリンクやピッチ脇にテントが用意された。
大会には様々な特色を持つチームが参加した。
大会で唯一、Jリーグの下部組織として参加していた奈良クラブジュニアは、トップチームやアカデミーにスペイン人指導者を招聘してスタイルを構築しており、ジュニアチームもパスをつないで戦うサッカーを掲げている。町田地寛コーチは「普段の8人制よりもフットサルのコートは小さい。
人数の少ないクラブが合同チームとして参加したケースもある。
男子だけや男女混合チームが多いなか、女子だけのチームもあった。和歌山県で活動するITO FC アザレアは久しぶりにEXILE CUPへ参加。
カナリアガールズも女子だけで戦ったチームだ。普段は奈良市の明治FCというチームで男女一緒に活動しているが、EXIE CUPには男女それぞれがチームを作って参戦。女子が“カナリアガールズ”、男子は“ブラジルの男たち”というチーム名で、ブラジル代表を連想させるカナリアカラーのユニフォームを身にまとってプレーした。
昼休みを挟んで行われた決勝トーナメントは負けたら敗退の一発勝負。準々決勝ではディアブロッサ高田FC U-12 Aとディアブロッサ高田FC U-12 Bによる同チーム対決が組まれた。近藤礼都コーチが「一緒に練習しているので、お互いのことはわかっている。どれだけ本番で実力を出せるのか。Bチームの子はAチームを倒して番狂わせを起こしたい、という気持ちがあると思う」と見守るなか、勝ったのはAチーム。Bチームの萱澤斗治くんは「(Aチームは)強かった」と涙を流して悔しがっていた。
準決勝では前回の決勝大会を制したセンアーノ神戸ジュニアと、2015年・2016年の決勝大会チャンピオンのEDCが激突した。実力チーム同士のハイレベルな試合は、EDCが前半に右サイドから攻撃を仕掛けて2点リードを奪うが、センアーノ神戸も後半に追いついて試合終盤へ。後半のラストプレーでEDCの垂水陽くんが強烈なシュートを叩き込み、3-2で決勝進出を決めた。
決勝戦はEDCと、こちらもEXILE CUP全国大会で2013年に優勝しているFC Victoria 伊丹有岡の対戦となった。序盤からEDCが攻撃を仕掛け、前半だけで朝尾桜介くんが3ゴールを決めると、後半にも追加点を挙げ、EDCが4-0で勝利。2016年以来、4大会ぶりの関西大会優勝となった。決勝戦でハットトリックを達成した朝尾君は「予選リーグは連係が合いにくかったけれど、みんなで話しながら良くなっていきました」とチームワークの向上が優勝につながったと話した。内田哲平コーチは「選手たちが自分たちの良さを出してくれました」と大会を振り返った。
優勝したEDCは9月17日に愛媛県今治市で行われるEXILE CUP 決勝大会に挑む。垂水君は「パスもドリブルもあるサッカーで全国優勝を狙います!」と決勝大会での活躍を誓った。直近の5大会は関西代表チームが決勝大会でも優勝を飾っており、EDCが関西勢6連覇という快挙を成し遂げられるかどうかにも注目が集まる。
文=雨堤 俊祐 写真=座間 雄貴