名古屋グランパスは11日、2023シーズンは浦和レッズから期限付き移籍加入していたFWキャスパー・ユンカーについて、期限付き移籍期間の満了に伴い、2024シーズンから完全移籍で加入することを発表した。

 ユンカーは1994年3月5日生まれの現在29歳。
母国のデンマークやノルウェーで複数のクラブチームを渡り歩き、2020シーズンに在籍したボデ・グリムトではエリテセリエン(ノルウェー1部リーグ)初優勝に貢献。個人としても25試合の出場で27ゴールを挙げ、得点王とMVP(最優秀選手賞)に輝いた。

 2021年4月にボデ・グリムトから浦和レッズへ完全移籍加入した。シーズン開幕直後の加入ながら、来日直後から類稀な得点能力を発揮。公式戦デビューとなった同シーズンのJリーグYBCルヴァンカップ・グループステージ第5節柏レイソル戦で早速ゴールネットを揺らすと、続くJリーグデビュー戦の明治安田生命J1リーグ第13節ベガルタ仙台戦からリーグ戦4試合連続ゴールを挙げる。同シーズンは明治安田生命J1リーグで21試合出場9得点、JリーグYBCルヴァンカップで6試合出場4得点、天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権大会で5試合出場3得点を記録。
浦和の3大会ぶり4度目の天皇杯制覇、そして翌シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得に大きく貢献した。

 翌シーズンは負傷に悩まされながらも、明治安田生命J1リーグで21試合の出場で7ゴールを記録。ACLでは準決勝・全北現代モータース戦の延長戦に値千金の同点ゴールを挙げるなど、6試合に出場して4ゴールをマーク。決勝が翌シーズンに行われた影響で優勝の瞬間には立ち会わなかったが、浦和のACL決勝進出に大きく貢献した。

 2023年より名古屋へ期限付き移籍。明治安田生命J1リーグ開幕戦の横浜FC戦で早速得点を挙げると、以降も名古屋に欠かせない“主砲”として順調にゴールを重ねる。
最終的には明治安田生命J1リーグ全34試合中33試合のピッチに立ち、リーグ戦の得点ランキングで3位となる16ゴールを挙げた。

 完全移籍に際し、ユンカーは浦和を通してコメントを発表。浦和で過ごした2年間を振り返りながら、ファン・サポーターを含むクラブへ関わるすべての人々へ感謝の言葉を綴った。

「浦和レッズで過ごした2年間は、感謝の気持ちでいっぱいです。あの2年間は私にとって非常に特別な時間でした。みなさんは最初から私を歓迎してくれて、本当にたくさん助けてくれました。
天皇杯を勝ち獲った瞬間や、みなさんと一緒に祝ったゴールの瞬間を決して忘れません。いつも私を支えてくれたことを、決して忘れません」

 また、2024シーズンより完全移籍で加入することが決まった名古屋を通しては、次のような言葉で意気込みを語った。

「愛する名古屋グランパスファミリーの皆さん、今シーズンもまた皆さんと一緒にいられることをとても嬉しく思います。昨シーズン皆さんから受けたサポートと愛情は素晴らしく、本当に大きな家族のように感じました。毎日皆さんのためにベストを尽くし続けます」

「スタジアムで、街で、様々な場所で再び皆さんにお会いできることを楽しみにしています。皆さんが私をとても幸せにしてくれるので、いつも笑顔で皆さんに会いたいと思います」


【ゴール動画】“グランパスの貴公子”として愛されたユンカーの名古屋1年目