チャンピオンズリーグ(CL)・準々決勝セカンドレグが16日に行われ、バルセロナ(スペイン)とパリ・サンジェルマン(PSG/フランス)が対戦した。

 今大会、グループHに入っていたバルセロナは、開幕3連勝を飾った後、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)、ロイヤル・アントワープ(ベルギー)相手には不覚を取ったものの、最終的に4勝2敗の勝ち点「12」を獲得。
ポルト(ポルトガル)相手に2連勝を飾っていたことで、当該チーム間の成績で上回り、首位でグループステージを終えた。3シーズンぶりに進出した決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)では、ナポリ(イタリア)を2戦合計4-2で破り、2019-20シーズン以来、4シーズンぶりに準々決勝行きの切符を掴み取っていた。

 一方、ドルトムント(ドイツ)、ミラン(イタリア)、ニューカッスル(イングランド)と同居する“死の組”のグループFに組み込まれたPSGは、最終的に2勝2分2敗で勝ち点「8」を積み上げると、ミランと勝ち点で並んだものの、当該チーム同士の得失点差で上回って2位通過。ラウンド16では久保建英擁するレアル・ソシエダと(スペイン)と対戦し、2戦合計4-1と力の差を見せつける。3シーズンぶりの準々決勝進出を決めていた。

 10日に行われたファーストレグではバルセロナが先勝。
前半の終盤にハフィーニャの得点で先手を取ると、後半に入ってからPSGの猛攻を受けて逆転を許したが、ハフィーニャのダイレクトボレー、さらにはセットプレーからアンドレアス・クリステンセンが勝利を手繰り寄せる決定的な3点目を挙げ、終わってみれば敵地で3-2と接戦を制していた。

 ホームに戻って迎えたセカンドレグでは、先勝した勢いそのままにバルセロナが良い試合の入りを見せる。12分にはロナルド・アラウホが右サイドへ展開すると、ボールを受けたラミン・ヤマルがドリブルをスタート。縦への突破でヌーノ・メンデスを振り切り、マイナスへ折り返すと、最後はハフィーニャが押し込んだ。ファーストレグでも躍動したハフィーニャがゴールをこじ開け、バルセロナが2戦合計スコアを2点差とした。

 その後もバルセロナが主導権を握ったが、29分には試合の流れを大きく変えかねない出来事が発生。
アラウホからの縦パスがN・メンデスにインターセプトされ、ダイレクトで背後のスペースへ送られると、慌ててカバーしようとしたアラウホがブラッドリー・バルコラを倒してしまう。主審はDOGSOの要件を満たすファウルと判断し、アラウホにはレッドカードが提示。バルセロナは残る60分間以上を10人で戦うこととなった。

 数的優位となったPSGはここから反撃へ。40分、ペナルティエリア手前で時間を作ったヴィティーニャが左サイドへ散らすと、パスを受けたバルコラがボックス幅から縦へ仕掛ける。寄せてきたジュール・クンデをうまく引き寄せながら、左足で最終ラインとGKの間に低弾道のボールを蹴り込むと、ファーサイドでウスマン・デンベレが詰めた。


 前半終盤の攻撃で1点を返したPSGは、前半アディショナルタイムにも左からのクロスボールにダイレクトで合わせたデンベレがゴールを脅かしたが、ここはわずかに枠を外れる。前半はこのまま終了。2戦合計スコアではバルセロナの1点リードで後半へ折り返した。

 後半へ入っても11人で戦うPSGが逆転を目指して猛攻を続ける。悪くないシーンを作りながら、仕留めきれないという状況のなかで迎えた54分、PSGは右コーナーキックを獲得。デンベレがショートで繋ぐと、アクラフ・ハキミを経てボックス手前でパスを受けたヴィティーニャが右足一閃。
狙い澄ましたミドルシュートを叩き込み、遂にPSGが同点に追い付いた。

 これで攻めるしかなくなったバルセロナは、10人となっても惜しいシーンを作り出す。56分には敵陣左サイド深い位置でペドリがボールを奪ったところから、ロベルト・レヴァンドフスキを経由し、ボックス内でボールを受けたイルカイ・ギュンドアンが右足を振り抜くも、シュートは左ポストに当たって枠の外へ。直後にはまたもアクシデント発生。ジャッジに対して執拗な文句を続けたシャビ・エルナンデス監督が退席処分に。これでバルセロナは10人だけでなく監督不在のなかで戦うこととなた。


 こうなったら試合は一気にPSGペースに傾いていく。59分には、ウスマン・デンベレがボックス右のスペースでワレン・ザイール・エムリからのパスを受ける。ファーストタッチはやや長くなったものの、ルーズになったボールに対して、寄せてきたジョアン・カンセロのスライディングを喰らい、これがファウルの判定に。PSGにPKが与えられると、“エース”のキリアン・エンバペが左上へ強烈な一撃を突き刺した。アウェイの地でPSGが逆転に成功。大きなリードを得た。


 ホームで負けられないバルセロナは、終盤にかけて攻めの姿勢を貫き、レヴァンドフスキを中心にゴールへ迫る場面を作ったが、待望の1点は生まれない。89分にも左コーナーキックの場面で、人数をかけてゴールを奪いに行ったが、これが奪われるとPSGがカウンターへ転じる。スピードに乗ったハキミが右サイドを独走し、中央へ流し入れると、エンバペが右足でゴールを狙う。ここはGKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンに阻まれるも、こぼれ球に反応したファビアン・ルイスが左足で強烈な一撃を放つ。再びGKテア・シュテーゲンが立ちはだかったが、クンデがこぼれ球をクリアしたボールがエンバペの元へ。“エース”はこの隙を見逃さず、勝負を決める1点を沈めた。

 試合はこのままタイムアップ。PSGが『エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニス』にて逆転劇を演じ、決勝進出を果たした2019-20シーズン以来となるベスト4入りを決めた。一方、バルセロナはホームで痛恨の黒星。5シーズンぶりの準決勝進出果たせなかった。

 この後、PSGは準決勝でドルトムント(ドイツ)との“再戦”に臨むこととなる。ファーストレグは4月30日または5月1日の開催予定だ。

【スコア】
バルセロナ 1-4(2戦合計4-6) パリ・サンジェルマン

【得点者】
1-0 12分 ハフィーニャ(バルセロナ)
1-1 40分 ウスマン・デンベレ(パリ・サンジェルマン)
1-2 54分 ヴィティーニャ(パリ・サンジェルマン)
1-3 61分 キリアン・エンバペ(PK/パリ・サンジェルマン)
1-4 89分 キリアン・エンバペ(パリ・サンジェルマン)


【ハイライト動画】PSG、アウェイの地でバルサ撃破