マンチェスター・ユナイテッドに所属するブラジル代表MFカゼミーロが、レアル・マドリード退団時の秘話を明かした。19日、スペイン紙『マルカ』が同国のテレビ番組『エル・チリンギート・デ・ジュゴネス』内でのコメントを伝えている。


 現在32歳のカゼミーロは、母国ブラジルの名門サンパウロの下部組織出身で、2010年にトップチームへと昇格を果たした。2013年にレアル・マドリード・カスティージャ(Bチーム)に加入し、ポルトへのレンタル移籍を経て2015-2016シーズンに復帰すると、以降はトップチームの主力に定着。“白い巨人”に帰還してからは公式戦通算310試合出場31ゴールを記録するなど、クラブのラ・リーガ制覇やチャンピオンズリーグ(CL)3連覇に大きく貢献し、2022年8月にマンチェスター・ユナイテッドへの完全移籍を決断した。

 番組内でレアル・マドリードの“DNA”について問われたカゼミーロは、「説明するのは難しい」と前置きしながら、「CLで豹変するチームなんだ。そのスター性がある」とコメント。「CLでのこのチームは信じられないようなものだ。
DNAは勝つこと」と述べつつ、「要求に疲弊することなく常にハードにプッシュしなければならない。マドリードでプレーするということはそういうことなんだ」と名門ならではの重圧を打ち明けている。

 また、「CLで優勝した少し後に退団を決めたんだ。マドリードでの時間は終わったと思ったし、退団するにはいい年齢だった。決断は簡単ではなかった」と移籍を決めた際の心境を告白。続けて、「マドリードからマンチェスター・ユナイテッドに移籍することを迷ったのは1度だけだった」と語り始めると、「その日は金曜日で全てが終わっていた。
トレーニングをしなければならなかったのにトレーニングをしなかった。(カルロ・)アンチェロッティに話をしに行くと、彼はすでに僕が去ることを知っていた。オフィスに行くと彼は振り返って泣いていたよ。アンチェロッティは僕に去ってほしくない、僕をとても愛していると言った」と指揮官とのやり取りを振り返り、「それで僕は躊躇したんだ。マドリードは僕をとても求めていたけれど、僕はすでにユナイテッドと約束をしていたし、それが何よりも大事だった」と回想した。