プレミアリーグ第36節が5日に行われ、リヴァプールとトッテナムが対戦した。

 ユルゲン・クロップ監督体制ラストイヤーでのリーグ制覇を目指すリヴァプールは、直近5試合で1勝2分2敗と急失速。
今節引き分け以下に終わった場合は、残り試合で暫定首位アーセナルの勝ち点を上回ることが不可能となり、逆転優勝の可能性が消滅する。一方のトッテナムは直近の3連敗により、1試合消化の多い4位アストン・ヴィラとのポイント差が「7」に拡大。チャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得が極めて難しい状況となった。互いに勝利が必須のビッグマッチ。リヴァプール所属の日本代表MF遠藤航はアンカーの位置で先発出場を果たしている。

 序盤に攻勢を強めたのはリヴァプール。
10分、敵陣バイタルエリアでのボール奪取からサラーとハーヴェイ・エリオットに決定機が訪れたが、立て続けに放ったシュートはGKグリエルモ・ヴィカーリオのセーブとクリスティアン・ロメロの体を張ったブロックに阻まれる。16分には遠藤が大きく左へ展開し、ボールを収めたコーディ・ガクポがカットインから右足で柔らかいクロスを送る。ファーサイドに走り込んだサラーが頭で押し込み、リヴァプールが先制に成功した。

 リードを奪ったリヴァプールは連動したプレスで中盤の優位性を保ち、前線のサラー、ガクポ、ルイス・ディアスらを起点に追加点のチャンスをうかがう。36分、バイタルエリアでのパス交換から右へ展開し、サラーのクロスのこぼれ球にアンドリュー・ロバートソンがボレーで合わせるも枠外へ。直後にはエリオットのパスで右ニアゾーンを取ったアレクシス・マック・アリスターが中央へ折り返したが、シュートに繋げることはできなかった。


 完全に主導権を握ったリヴァプールは45分、マック・アリスターの右への展開からトレント・アレクサンダー・アーノルドがクロスを送り、ロバートソンの折り返しにサラーが合わせる。これはGKヴィカーリオに阻まれるも、こぼれ球をロバートソンが押し込み追加点を奪った。前半はこのまま2-0で終了する。

 後半開始早々の50分、L・ディアスが敵陣右サイドへ大きく展開すると、サラーとエメルソン・ロイヤルが競り合ったこぼれ球をエリオットが拾う。タメを作って左足でクロスを上げると、ガクポのヘディングシュートがネットを揺らし、リヴァプールがリードを3点に広げる。59分にはダイナミックなサイドチェンジで敵陣内へ攻め込むと、サラーの落としを受けたエリオットがボックス手前から左足を一閃。
強烈なシュートがゴール左上隅に突き刺さり、一気に4点差とした。

 その後は両チームともにフレッシュな選手を次々と投入。リヴァプールの中盤を支えた遠藤も65分にベンチへ下がっている。苦しい展開となったトッテナムは72分、イヴ・ビスマのスルーパスで右サイド深くへ抜け出したブレナン・ジョンソンが中央へ折り返し、リチャーリソンがダイレクトでネットを揺らし1点を返す。さらに5分後には左を駆け上がってきたオリヴァー・スキップがリチャーリソンへ繋ぎ、落としたボールをソン・フンミンが蹴り込み2点差に詰め寄る。

 最終盤にかけてはオープンな展開が繰り広げられ、両チームがチャンスを作り合うも、両GKを中心とした守備陣が粘り強い対応を見せ追加点は生まれず。
試合はこのまま4-2で終了し、リヴァプールがわずかながらも逆転優勝へ望みを繋いでいる。一方のトッテナムは痛恨の4連敗となった。次節、リヴァプールは13日にアウェイでアストン・ヴィラと、トッテナムは11日にホームでバーンリーと対戦する。

【スコア】
リヴァプール 4-2 トッテナム

【得点者】
1-0 16分 モハメド・サラー(リヴァプール)
2-0 45分 アンドリュー・ロバートソン(リヴァプール)
3-0 50分 コーディ・ガクポ(リヴァプール)
4-0 59分 ハーヴェイ・エリオット(リヴァプール)
4-1 72分 リチャーリソン(トッテナム)
4-2 77分 ソン・フンミン(トッテナム)