AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)準々決勝・セカンドレグが12日に行われ、ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)とサンフレッチェ広島(日本)が対戦した。

 リーグステージ・グループEを5勝1敗で終えた広島は、ラウンド16でナムディンFC(ベトナム)を2戦合計7-0で撃破しベスト8へ進出。
準々決勝はシンガポールの名門ライオン・シティ・セーラーズとの顔合わせとなると、本拠地でのファーストレグでは田中聡の先制点を皮切りに大量6得点を奪い、ベスト4進出へ大きなアドバンテージを手にしたかに思われた。

 しかし、この試合で新天地デビューを飾り、投入直後にはネットを揺らしたフランス人FWヴァレール・ジェルマンについて、広島加入以前の昨年2月に科された出場停止処分を消化していなかったことが判明。これにより、ファーストレグは没収試合となり、ライオン・シティ・セーラーズの3-0での勝利扱いとなった。このため、広島は3点ビハインドという極めて厳しい条件の中で敵地でのセカンドレグに臨む。

 3点差以上での勝利がベスト4進出への絶対条件となる広島は序盤から主導権を握り、中央を固めるライオン・シティ・セーラーズに対して積極的にサイド攻撃を仕掛けていく。9分にはジャーメイン良のパスを受けた東俊希が左から低いクロスを送り、中央の加藤陸次樹がダイレクトで合わせるも相手DFがブロック。しかし、攻勢の中で迎えた20分、速攻からレンナルト・ティーにネットを揺らされ、先制点を献上してしまう。

 2戦合計で4点を追うこととなった広島は28分、中島洋太朗が敵陣中央で相手のプレスを剥がすと、細かくパスを繋いで右サイドの中野就斗へ展開。中野がワントラップから右足で強烈なシュートを放ったが、相手GKの好セーブに阻まれた。それでも35分、中島がボックス手前中央からのFKを直接沈め、追撃の1点を奪う。その後も複数回に渡ってチャンスを作った広島だったが、追加点は奪えず、1-1で前半を終えた。

 後半も立ち上がりから攻勢を強めていた広島だったが51分、ボールと関係のないところでジャーメインが相手選手に対して腕を振り、レッドカードを受けて一発退場となってしまう。
苦しい展開となった広島は61分に3枚替えを敢行し、山﨑大地、川辺駿、菅大輝を投入。数的不利ながらボール保持率では上回り、69分には左から仕掛けた加藤が深い位置まで侵入して左足を振ったが、得点には繋がらなかった。

 その後は越道草太もピッチに送り込んだが、人工芝のピッチの影響もあってか随所でパスのズレが目立ち、攻めあぐねる時間が続く。試合はこのまま1-1で終了し、2戦合計スコアを4-1としたライオン・シティ・セーラーズがベスト4に駒を進めた。

【スコア】
ライオン・シティ・セーラーズ 1-1(2戦合計:4-1) サンフレッチェ広島

【得点者】
1-0 20分 レンナルト・ティー(ライオン・シティ・セーラーズ)
1-1 35分 中島洋太朗(サンフレッチェ広島)
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