現在21歳のヴィルツは2020年1月にレヴァークーゼンの下部組織へ加入し、同年5月にトップチームデビューを飾った。徐々に出番を増やすと、近年は攻撃の主軸に定着し、ここまで公式戦通算194試合で56ゴール63アシストをマーク。背番号「10」を託され臨んだ昨シーズンは全公式戦を通じて18ゴール20アシストをマークするなど躍動し、ブンデスリーガ史上初の無敗優勝やDFBポカール制覇に大きく貢献した。
現行契約を2027年6月末まで残しているヴィルツだが、バイエルンやマンチェスター・シティ、レアル・マドリードが関心を寄せていることから、今シーズン終了後の去就は不透明。レヴァークーゼンは契約延長に向けて動いている一方、今夏の売却に踏み切る場合は移籍金として1億5000万ユーロ(約246億円)以上を要求すると見られている。
報道によると、バイエルンは選手側と水面下で交渉を進めており、年俸2000万ユーロ(約33億円)から2500万ユーロ(約41億円)という条件の5年契約提示が検討されているようだ。未だレヴァークーゼンとの交渉は行われていないものの、選手本人やその家族とも綿密に連絡を取っており、今夏または来夏に獲得できるとの自信を深めているという。ヴィルツ本人も少なくともFIFAワールドカップ26までは国内でプレーしたいと考えており、バイエルン加入に前向きと報じられている。
一方で、バイエルンがヴィルツを獲得するためにはレヴァークーゼンを説得する必要があるが、このプロセスが最大のハードルであると『スカイスポーツ』は指摘。レヴァークーゼンはブンデスリーガの覇権を争う“ライバル”への流出は何としても避けたいと考えており、仮にヴィルツが今夏の移籍を希望した場合にも、国外クラブへの移籍を後押しする可能性が高いという。
マンチェスター・シティとレアル・マドリードは引き続きヴィルツの動向を注視しており、前者は今シーズン限りで退団するベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネの“後釜”に据えることを検討している模様。後者については、シャビ・アロンソ監督の招へいに成功した場合には、獲得に乗り出す可能性が高まると報じられている。