ベティスは、マンチェスター・ユナイテッドに所属するFWアントニーの再レンタルを望んでいるようだ。9日、スペイン紙『アス』が伝えている。


 2000年2月24日生まれのアントニーは現在25歳。今冬に、出場機会が限定的だったマンチェスター・ユナイテッドからベティスにレンタル加入すると、右サイドで本来の輝きを取り戻しただけでなく、MFイスコらとの共存が相乗効果をもたらしてより驚異的な存在に。それは、後半戦だけで公式戦10得点5アシストを記録した個人スタッツを見ても明らかだ。とくに、ヨーロッパカンファレンスリーグ・準決勝セカンドレグのフィオレンティーナ戦では、1ゴール1アシストの大活躍でクラブ史上初の欧州大会決勝戦進出に大きく貢献。また、選手本人も、シーズン終了後に保有元のマンチェスター・ユナイテッドに戻ることがアナウンスされた際に、「フットボールをする喜びを取り戻させてくれてありがとう。なぜこのスポーツに恋に落ちたのかを思い出させてくれてありがとう。僕の故郷、僕の仲間、ベティスは永遠」と言い残すなど、アンダルシアでの日々は充実したものだった。

 そうしたなかで迎える今夏の移籍市場、やはりベティスは同選手の再レンタルを狙っているとのことだ。『アス』が「ベティスの計画はアントニーを中心に回っている」と指摘するほどで、すでに新たなレンタル契約に踏み切る決意を固めている模様。チームを率いるマヌエル・ペジェグリーニ監督が「イスコの最高の相棒であり続けて欲しい」と考えている上、選手本人も移籍には前向きな姿勢という。そう。問題は、マンチェスター・ユナイテッド側の意向だ。
プレミア15位のクラブは、アントニーを構想外と見なしているものの、他クラブからのより高額なオファーを待っており、数百万ポンドの移籍金を得られる機会を逃したくないことを明らかにした。

 ベティスとしては、この取引がどれくらい実現可能かを確かめるため、資金力のある他クラブよりも説得力のあるオファーを提示するため、現在精査を進めている段階だという。『アス』によると、具体的には、チームトップとなるイスコ以上の金額は出せないものの、アントニーの給与を一部負担することや、買取オプション付帯に合意することも選択肢に入れているようだ。

 いずれにしろ、ベティスの方針は、アントニーの再レンタルを最後まで諦めないことである。当然、この作戦が失敗になった場合に備えて、移籍市場でウィングを獲得するプランも練っているとのこと。ベティスとアントニーの“両思い”は、新シーズンに『ベニート・ビジャマリン』で結ばれるのだろか。
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