ラ・リーガ昇格プレーオフ・決勝戦の1stレグが15日に行われ、ミランデス(4位)とオビエド(3位)が対戦した。

 歴史的快挙に王手がかかった。
4クラブ(レギュラーシーズンの3位~6位)が最後の1枠を争う昇格プレーオフで、ミランデスは準決勝でラシン・サンタンデール(5位)を2戦合計スコア7-4で撃破。対する24年ぶりの復帰を掲げる“古豪”オビエドは、40歳MFサンティ・カソルラの直接FK弾でアルメリア(6位)を2戦合計スコア3-2で下していた。

 そして迎えた15日、ミランデスの本拠地『ムニシパル・デ・アンドゥバ』にて決勝戦の1stレグが行われた。試合は立ち上がりの3分、ミランデスがお得意の縦に速い形からチャンスを作り、最後は左WBイケル・ベニートのクロスにMFアルベルト・レイナが頭で合わせて先制点を挙げた。その後は互いに譲らない展開が続くが、終盤にかけてはオビエドが攻勢を強めると、83分にはPKを獲得。が、MFサンティアゴ・コロンバトのキックは、相手GKラウール・フェルナンデスのビッグセーブに遭い、追いつく絶好機を逃すことに。このまま1-0でタイムアップし、“ハバトス(愛称)”が先勝した。

 創設98年目にしてクラブ史上初となるラ・リーガ昇格に片手をかけたミランデス。そんな同クラブは、J2リーグに所属する水戸ホーリーホックを彷彿とさせる。というのも、後に日本代表にまで到達するFW前田大然(セルティック)やFW小川航基(NEC)らが水戸で飛躍のきっかけを掴んだように、ミランデスにも将来を嘱望される若手選手が集まり、成長して保有元のクラブに帰っていくのだ。ここ数年、スペイン代表で活躍するCBダニエル・ビビアン(アスレティック・ビルバオ)のほか、MFロドリゴ・リケルメ(アトレティコ・マドリード)やFWニコラス・ジャクソン(チェルシー)らがこの“育成型クラブ”を武者修行先に選んできた。

 当然、39歳のアレッシオ・リッシ監督が率いる現チームにも多くの有望株がおり、平均年齢は24.3歳とリーグ3番目の若さ。
加えて、レンタル加入の選手数が『13』で、これはリーグトップの数字。目覚ましい活躍を見せるFWウルコ・イセタや右WBウーゴ・リンコンはアスレティック・ビルバオから、リーグ戦全42試合に出場したMFホン・ゴロチャテギはレアル・ソシエダから、レギュラーシーズンで得点ランク2位(20得点)となったFWホアキン・パニチェリはアラベスから預けられた“金の卵”たちだ。

 図らずも、水戸(平均年齢24.8歳/リーグ3番目タイの若さ)がクラブ新記録の7連勝を達成し、自動昇格圏内で前半戦を折り返したシーズンに、遠く離れたスペインの地でも“育成型クラブ”として成功しつつあるミランデスが、ラ・リーガ昇格に王手をかけている。

 注目の2ndレグは、オビエドの本拠地『タルティエレ』で現地時間21日に行われる予定。なお、120分(90分+30分)で決着が付かなかった場合は、レギュラーシーズンの順位が上のチームが勝ち上がるレギュレーションとなっているため、ミランデスは2戦合計スコアで相手を上回る必要がある。


【歓喜】先勝をサポーターと喜ぶミランデスの選手たち



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