FIFAクラブワールドカップ2025・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)が6月30日に行われ、マンチェスター・シティ(イングランド)とアル・ヒラル(サウジアラビア)が対戦した。

 グループGを無傷の3連勝で首位通過し、3試合で合計13ゴールを叩き出したマンチェスター・シティ。
一方、アル・ヒラルは新たに就任したシモーネ・インザーギ監督の下で堅実な戦いを披露し、グループHを1勝2分の2位で突破した。今大会の優勝候補にも数えられる欧州屈指の名門とアジア勢唯一の生き残りによる一戦はどちらに軍配が上がるだろうか。

 立ち上がりからマンチェスター・シティがボールを保持し、最終ラインに5枚を並べたアル・ヒラルを押し込む展開となる。9分にはジェレミー・ドクが起点を作ったところから、ラヤン・アイト・ヌーリがタイアニ・ラインデルスとのパス交換でボックス内左へ侵入。中央への折り返しから最後はベルナルド・シルヴァが押し込み、開始早々にグループリーグでわずか1失点だったアル・ヒラルの堅守をこじ開けた。

 先制されたアル・ヒラルも徐々にチャンスシーンを作っていくが、マンチェスター・シティ優位の展開は変わらない。24分、こぼれ球を回収したところからアイト・ヌーリ、アーリング・ハーランドと繋いでスルーパスに抜け出したサヴィーニョがフィニッシュに持ち込むもGKボノが好セーブ。29分には上手くライン間を取ったイルカイ・ギュンドアンがサヴィーニョとのワンツーでボックス内へ侵入したが、ここもGKボノが見事な対応で失点を防いだ。

 アル・ヒラルはセルゲイ・ミリンコヴィッチ・サヴィッチやジョアン・カンセロらが起点となって相手ゴールに迫るシーンを作るが、ラストパスの精度を欠いて得点には至らず。前半は1-0での折り返しとなった。

 後半開始直後、1点を追うアル・ヒラルは右サイドのマウコムが抜群の推進力を見せて敵陣バイタルエリアに持ち込み、外側を追い越してきたカンセロがゴール前にグラウンダーのクロスを供給。こぼれ球を最後はマルコス・レオナルドが頭で押し込み、試合を振り出しに戻す。
さらに52分には相手CKを跳ね返したところからカウンターを発動し、ドリブルで長い距離を運んだマウコムがGKエデルソンとの1対1を制して一気に試合をひっくり返した。

 しかし、アル・ヒラルの逆転ゴールからわずか3分後、マンチェスター・シティはB・シルヴァの左CKから最後はハーランドが押し込みすぐさまタイスコアに戻す。その後はマンチェスター・シティがボール保持率やシュート本数で上回りつつ、アル・ヒラルも相手DFラインの背後を突くシンプルな攻撃を度々披露。互いに一歩も譲らず、2-2のまま試合は終盤へ突入する。

 84分、B・シルヴァの左CKに合わせたマヌエル・アカンジのヘディングシュートはGKボノが何とかかき出し、こぼれ球に詰めたハーランドのプッシュはアリ・アラジャミがライン上でクリア。マンチェスター・シティは決定機を生かすことができない。90分間で決着は付かず、試合は延長戦に突入する。

 延長戦も激しい撃ち合いとなる。94分、ルベン・ネヴェスの左CKからカリドゥ・クリバリが打点の高いヘディングシュートを叩き込み、アル・ヒラルが勝ち越しに成功。104分にはラヤン・シェルキの絶妙なクロスからフィル・フォーデンが同点弾を叩き込むも、112分にアル・ヒラルがまたしてもリードを奪う。レナン・ロディのアーリークロスにM・サヴィッチが頭で合わせ、GKエデルソンが弾いたこぼれ球をレオナルドが押し込みネットを揺らした。

 試合はこのまま3-4で終了し、アル・ヒラルがベスト8進出を決めた。
7月4日の準々決勝はフルミネンセ(ブラジル)との対戦となる。

【スコア】
マンチェスター・シティ 3-4 アル・ヒラル

【得点者】
1-0 9分 ベルナルド・シルヴァ(マンチェスター・シティ)
1-1 46分 マルコス・レオナルド(アル・ヒラル)
1-2 52分 マウコム(アル・ヒラル)
2-2 55分 アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)
2-3 94分 カリドゥ・クリバリ(アル・ヒラル)
3-3 104分 フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)
3-4 112分 マルコス・レオナルド(アル・ヒラル)


【全ゴール動画】アル・ヒラルがマンCとの壮絶な撃ち合い制す!














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