クラブから契約に関する詳細は明かされていないものの、イギリスメディア『BBC』によると、契約期間は2030年6月30日までの5年間で1年間の延長オプションも付随している模様。
モスケラは2004年6月27日生まれの現在21歳。バレンシア州アリカンテの出身で、12歳だった2016年より、州内最大のビッグクラブであるバレンシアのカンテラ(育成組織)で研鑽を積んだ。2022年1月、ホセ・ボルダラス監督(現:ヘタフェ)体制下でトップチームデビューを飾ると、ルベン・バラハ前監督が率いた昨季のチームで大ブレイク。身長191cmの恵まれた体躯と、身体能力の高さを武器にセンターバックの主力として2シーズンにわたって活躍を続けた。バレンシアのトップチームでは公式戦通算90試合出場1ゴールを記録している。
また、各年代別のスペイン代表選出歴も誇っており、パリオリンピック2024では主力の座に着くことは叶わなかったものの、チームの一員として金メダル獲得を経験。今夏に行われたU-21欧州選手権では、主力として3試合のピッチに立った。
カンテラ出身であるがゆえに、バレンシアへの愛着も深かったものの、モスケラは今夏のステップアップを希望して契約延長オファーを拒否。バレンシアとの契約は来年夏に満了を迎えるため、クラブは今夏に売却に踏み切る決断を下した。移籍市場に精通するイタリア人記者のファブリツィオ・ロマーノ氏によると、モスケラのもとにはセリエAのクラブからのオファーも届いていたものの、モスケラはアーセナル移籍のみを望んでおり、他のオファーには耳を傾けなかったという。
なお、アーセナルは今夏の移籍市場において、チェルシーから元スペイン代表GKケパ・アリサバラガ、レアル・ソシエダから同MFマルティン・スビメンディ、ブレントフォードからデンマーク代表MFクリスティアン・ノアゴールを、チェルシーからイングランド代表MFノニ・マドゥエケをそれぞれ完全移籍で獲得。積極補強に動いているアーセナルにとっては、今夏5人目の新戦力となった。
モスケラの完全移籍加入に際し、アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督は次のような言葉で期待を寄せた。
「クリスティアンをアーセナルに迎えることができて非常に嬉しく思う。21歳ながらラ・リーガで豊富な経験を積み、コンスタントに好成績を残している。知性に溢れ、スピードがあり、センターバック(CB)でも両サイドでもプレーすることができる。才能豊かで大きな可能性を秘めた若手選手だ。新シーズンに向けて準備を進める中、チームにしっかりフィットしてくれることだろう。チームに素晴らしいクオリティーをもたらしてくれるだろうし、チームに馴染むことを楽しみにしているよ」
【動画】アーセナルがモスケラ獲得を正式発表!