ドイツを代表する名門シャルケだが、近年は財政悪化の影響で低迷し、昨シーズンはクラブワーストの順位となる2部14位に終わった。一方、シャルケと同じタイミングで降格したヘルタ・ベルリンも昇格争いに絡めず昨季は11位フィニッシュ。それでも、ドイツの評論家の多くはヘルタ・ベルリンを有力な昇格候補を挙げており、4シーズンぶりのブンデスリーガ復帰に期待が寄せられている。
チケット完売で6万2083人がシャルケの本拠地『フェルティンス・アレーナ』に足を運んだ注目の一戦は、前半の早い段階でシャルケが2点を先行する。16分に昨季チーム得点王のムサ・シラが先制点を挙げると、23分にセットプレーからニコラ・カティッチがリードを広げる。対するヘルタ・ベルリンは低調なパフォーマンスに終始し、89分になんとか1点を返したものの、シャルケが逃げ切って白星スタートを飾った。
新シーズンからシャルケを率いるミロン・ムスリッチ監督は試合後、「とても、とても誇りに思う。自分たちが本気であることをスタジアム中に示した。力強いパフォーマンスを宣伝した。弱々しい数年を経て、ファンに新しい顔を見せたかった」と、チームのパフォーマンスに満足感を示した。
また、シャルケのキャプテンを務めるDFティモ・ベッカーは、「誰も諦めていない。それが去年とは少し異なるところだ。
「体重90kg、スピードは35km/h…」
開幕戦で初スタメンに抜擢され、シラの先制点をアシストしたペーター・レンメルトは、シャルケ復活のキーマンになるかもしれない。ベッカー主将は身長193cmの巨漢アタッカーについて、「体重90kgなのに時速35キロメートルで走るんだ。簡単に足を出すことはできない。素晴らしいシュートとスーパーボディの持ち主でもある。彼は長い道のりを歩む大きな可能性を秘めている」とそのポテンシャルに舌を巻く。
何度か決定機を逃したものの、交代時には観客から大きな拍手で送り出されたレンメルトは、「信じられない雰囲気だ。鳥肌が立つよ」と『フェルティンス・アレーナ』の雰囲気に陶酔。
一方、出鼻を挫かれたヘルタ・ベルリンは、2021年から5シーズン連続で開幕黒星。新キャプテンのファビアン・レーゼは古巣戦を振り返り、「前半は完全に寝過ごし、シャルケのサッカーに巻き込まれるのを許してしまった。自分たちの原則、マッチプランをまったく実行できなかった。後半はまあまあだったが、それ以上はなかった。試合のどの場面でも、自分たちのサッカーができなかった」と悔しさを露わにした。
ただ、まだシーズンは始まったばかり。ヘルタ・ベルリンのDFトニ・ライストナーは、「初日で決着がつかないことは誰もが知っている。最初の10試合で決まるわけでもない。すべてはマラソンだ。私たちは今、マラソンに少しつまずいた。だからといって、完全に脱落したわけではない」と残り33試合に目を向けている。
2日には5試合が行われ、秋山裕紀と古川陽介を今夏に獲得したダルムシュタットは、三好康児が所属する降格組ボーフムをホームに迎える。横田大祐、松田隼風が加わったハノーファーは、3日に横田の古巣カイザースラウテルンとホームで対戦する。
【ハイライト】シャルケvsヘルタ・ベルリン