2025-26シーズンのブンデスリーガ2部が1日に開幕し、オープニングマッチではシャルケがヘルタ・ベルリンに2-1で勝利した。同日にドイツメディア『シュポルト1』やドイツ誌『kicker』が関係者のコメントを伝えた。


 ドイツを代表する名門シャルケだが、近年は財政悪化の影響で低迷し、昨シーズンはクラブワーストの順位となる2部14位に終わった。一方、シャルケと同じタイミングで降格したヘルタ・ベルリンも昇格争いに絡めず昨季は11位フィニッシュ。それでも、ドイツの評論家の多くはヘルタ・ベルリンを有力な昇格候補を挙げており、4シーズンぶりのブンデスリーガ復帰に期待が寄せられている。

 チケット完売で6万2083人がシャルケの本拠地『フェルティンス・アレーナ』に足を運んだ注目の一戦は、前半の早い段階でシャルケが2点を先行する。16分に昨季チーム得点王のムサ・シラが先制点を挙げると、23分にセットプレーからニコラ・カティッチがリードを広げる。対するヘルタ・ベルリンは低調なパフォーマンスに終始し、89分になんとか1点を返したものの、シャルケが逃げ切って白星スタートを飾った。

 新シーズンからシャルケを率いるミロン・ムスリッチ監督は試合後、「とても、とても誇りに思う。自分たちが本気であることをスタジアム中に示した。力強いパフォーマンスを宣伝した。弱々しい数年を経て、ファンに新しい顔を見せたかった」と、チームのパフォーマンスに満足感を示した。

 また、シャルケのキャプテンを務めるDFティモ・ベッカーは、「誰も諦めていない。それが去年とは少し異なるところだ。
今日、あなたたちはシャルケのメンタリティを目撃した。僕たちがアレーナを沸騰させたんだ。(ファンのサポートは)信じられない。ここでの祝賀がどんなに素晴らしいものか。もっと頻繁に経験したい」とサポーターの後押しにも感謝した。

「体重90kg、スピードは35km/h…」

 開幕戦で初スタメンに抜擢され、シラの先制点をアシストしたペーター・レンメルトは、シャルケ復活のキーマンになるかもしれない。ベッカー主将は身長193cmの巨漢アタッカーについて、「体重90kgなのに時速35キロメートルで走るんだ。簡単に足を出すことはできない。素晴らしいシュートとスーパーボディの持ち主でもある。彼は長い道のりを歩む大きな可能性を秘めている」とそのポテンシャルに舌を巻く。

 何度か決定機を逃したものの、交代時には観客から大きな拍手で送り出されたレンメルトは、「信じられない雰囲気だ。鳥肌が立つよ」と『フェルティンス・アレーナ』の雰囲気に陶酔。
ムスリッチ監督は「若い選手も冷たい水に投げ込まなければならない」と若手の積極登用を示唆しており、レンメルトは今後もチャンスを得ることになりそうだ。

 一方、出鼻を挫かれたヘルタ・ベルリンは、2021年から5シーズン連続で開幕黒星。新キャプテンのファビアン・レーゼは古巣戦を振り返り、「前半は完全に寝過ごし、シャルケのサッカーに巻き込まれるのを許してしまった。自分たちの原則、マッチプランをまったく実行できなかった。後半はまあまあだったが、それ以上はなかった。試合のどの場面でも、自分たちのサッカーができなかった」と悔しさを露わにした。

 ただ、まだシーズンは始まったばかり。ヘルタ・ベルリンのDFトニ・ライストナーは、「初日で決着がつかないことは誰もが知っている。最初の10試合で決まるわけでもない。すべてはマラソンだ。私たちは今、マラソンに少しつまずいた。だからといって、完全に脱落したわけではない」と残り33試合に目を向けている。
ただ、同選手は「しかし、そもそも昇格争いに参加するためには、大幅な改善が必要だ」と、昨夜の不甲斐ないパフォーマンスでは“魔境”の2部で生き残れないとチームに喝を入れている。

 2日には5試合が行われ、秋山裕紀と古川陽介を今夏に獲得したダルムシュタットは、三好康児が所属する降格組ボーフムをホームに迎える。横田大祐、松田隼風が加わったハノーファーは、3日に横田の古巣カイザースラウテルンとホームで対戦する。


【ハイライト】シャルケvsヘルタ・ベルリン

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