今夏にアーセナルへ活躍の場を移したスペイン代表MFマルティン・スビメンディは、新戦力とは思えぬほどミケル・アルテタ監督のチームに馴染んでいる。

 プレミアリーグを3年連続2位で終えたアーセナルは、今夏にガーナ代表MFトーマス・パルティ(現:ビジャレアル)とイタリア代表MFジョルジーニョ(現:フラメンゴ)がいずれも契約満了で退団。
一線級のアンカー確保が今夏の移籍市場における優先事項となる中、レアル・ソシエダに最大6500万ユーロ(約113億円)という移籍金を支払い、アルテタ監督がかねてから熱烈な関心を寄せていたスビメンディを獲得した。

 レアル・ソシエダで公式戦通算236試合に出場し、技巧派が集うスペイン代表にも定着した26歳はすでにアーセナルの“心臓”とも言うべき存在となっている。シーズン開幕からここまで5試合連続でフル出場を飾っており、確かな足元のテクニックと巧みな配球、優れた戦術眼を武器に中盤の底からチームを牽引。プレミアリーグ第4節ノッティンガム・フォレスト戦では2ゴールをマークするなど、目に見える数字も残している。

 スビメンディ自身も新天地での日々を楽しんでいるようで、イギリス紙『イブニング・スタンダード』を通じて「すっかり馴染んでいるよ。アーセナルに来たことは大きな変化だが、落ち着いているし、物事が上手く進んでいることに満足している。みんなが本当に良くしてくれているし、それがピッチ上でも表れているんだ。僕にとってはキャリアの大きな節目であり、まさに望んでいた移籍だよ」とコメントしている。

 同郷の選手たちの存在も適応の助けとなったようだ。アーセナルにはスペイン代表GKダビド・ラヤとレアル・ソシエダでチームメイトだった同MFミケル・メリーノが在籍。さらに今夏には同GKケパ・アリサバラガとU-21同国代表DFクリスティアン・モスケラも加入した。スビメンディは「言葉の壁があったので、スペイン人グループはとても助かった。
楽になったが、早く英語を習得したいと思っているよ」と明かしている。

「ミケルは僕の状況を理解し、最善の方法で対処してくれている」と語るように、同じバスク出身のアルテタ監督の存在も大きいようだ。ピッチ内で求められる役割については「説明するためにはいくらでも時間が必要だ。彼は非常に細かく、要求も高い」と前置きしつつ、「でも、以前にも似たようなスタイルのサッカーをしていたので、うまく適応できると思っている」と自信をのぞかせている。

「実際の在籍期間よりも長くここにいるように感じる」と語ったスビメンディ。中盤の底からチームを牽引し、アーセナルを悲願のタイトル獲得に導くことができるだろうか。


【ハイライト動画】新戦力スビメンディが圧巻の2ゴール!

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