イギリスメディア『アスレティック』やアメリカメディア『ESPN』などが現地時間24日に伝えたFIFAワールドカップ2030の出場枠拡大案について、様々な方面から意見が寄せられている。

 第1回大会の開催からちょうど100年となる2030年大会は、ウルグアイの首都モンテビデオで記念式典と開幕戦1試合を実施し、アルゼンチンとパラグアイでも開幕節の1試合を開催。
その後、舞台はヨーロッパとアフリカへと移り、スペイン、ポルトガル、モロッコの3カ国で大会が進行される。6カ国共催の時点で過去に例を見ないほど大規模なものとなる2030年大会だが、出場枠が大幅に拡大される可能性が浮上。南米サッカー連盟(CONMEBOL)のアレハンドロ・ドミンゲス会長が率いる代表団が、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長ならびにマティアス・グラフストロム事務総長と同23日に面会し、2030年大会を合計64チームで開催する案について協議を行なったという。CONMEBOLのドミンゲス会長は「地球上の誰もパーティーから取り残されることはない」と、64チーム開催の意義を強調している。

 だが、イギリスメディア『BBC』が同25日に伝えたところによると、現時点では各連盟の会長からは出場枠の大幅拡大に反対の声が挙がっているという。欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長は「悪い考え」と“64チーム拡大案”を一刀両断。本大会だけでなく、各大陸予選の質が低下する懸念を示した。また、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)のヴィクター・モンタリアーニ会長も「正しいとは思えない」と否定的。出場枠の急速な拡大は「より広範なサッカーの持続可能なシステムに損害を与える」とした。

 さらには、アジアサッカー連盟(AFC)のサルマーン・ビン・イブラーヒーム・アール=ハリーファ会長も反対意見に同意しており、「さらなる拡大は混乱をもたらすだろう」と述べている。

 試合数が増えれば、テレビ放映権やスポンサー契約といった財政面におけるメリットは大きくなる。一方で、反対派が口にする「大会レベルの低下」や、試合数の大幅増が選手の身体にもたらす悪影響など、デメリットも少なくない。
果たして、2030年大会の出場枠拡大案は実現するのだろうか。
編集部おすすめ