仮想通貨が4年に一度の熱狂相場を迎えている。ビットコイン(BTC)価格は3月に7万ドルを突破し、史上最高値を更新。
’22年末には2万ドル未満で推移していたことを思えば、驚きの急騰劇だ。
そんな中、まるでバブルを予見していたかのように資産を積み上げた投資家がいる。‘22年末から仮想通貨投資をはじめ、たった1年で元手30万円を1億円に爆増させたカツ男氏だ。

それまでは株やFXに手を出すも「鳴かず飛ばずの成績だった」という彼だが、なぜ仮想通貨ではここまで開眼できたのか。そこには決して幸運だけではない、「チャートの規則性」と「資金の循環」を意識した投資戦略があった。

仮想通貨は値動きが激しくハイリスクな投資だと言われるが、それだけにうまく上昇相場に乗れればリターンは大きい。
新進気鋭の投資家の「資産10倍術」を紐解いていこう。まず初回は、彼の投資履歴や仮想通貨全体の上昇相場がどこまで続くのかを解説する。

30万円を1億円超にした6つの銘柄

私が仮想通貨投資をはじめたのは、‘22年末。それまでは株やFXに投資していましたが、数十万円儲けてはすぐに溶かしてしまうような冴えない投資家でした。

そんな私が仮想通貨投資をはじめたのは、親しい投資仲間から「’24年に仮想通貨が来る」と聞いたからです。元手の30万円で1年間は勉強……のつもりが、‘23年1月に仕込んだアルトコインの「レンダートークン」(RNDR)が4カ月でいきなり約10倍の高騰を見せました。

さらに10月に購入した「オーディナルズ」(ORDI)という銘柄も約2か月で15倍に。
ほかにも「スタックス」(STX)などいくつかを購入していたため、ざっくり計算ですが、仮想通貨投資をはじめて1年経たずして、30万円→300万円→4500万円と、とんとん拍子に資産を増やせた。こればかりは、本当にタイミングがよかったと思います。

この成功体験で私は完全に味をしめました(笑)。仮想通貨の勉強にさらに打ち込んで、‘23年末頃からは細かいトレードも繰り返して、コンスタントに1.5~2倍の利幅を取れるようになっていきました。具体的には、「ユニスワップ」(UNI)や「ルナクラシック」(LUNC)、「ワールドコイン」(WLD)など、直近高値をブレイクアウトした銘柄をひとつひとつ丁寧に拾っていったのです。

そして、今年に入ってから、ビットコイン価格の急騰に合わせて資産全体の価格が押し上げられたことなどもあって、3月には資産1億円を達成。
会社を辞め、今では専業投資家になりました。

時価総額100~500位から「上がる前の銘柄」を選ぶ

私の仮想通貨投資は、「有望だけどまだ価格が上がっていないものを狙う」のが基本戦略です。そのためにファンダメンタルズ分析を使います。

まず、時価総額が100~500位ほどで、かつ低価格なアルトコインを自分なりに採点します。採点基準は、「この仮想通貨はどういう問題を解決するプロジェクトか?」、「競合はどういったコインがあるか?」「運営には誰が関わっているのか?」「XやDiscordのフォロワー数は何人か?」「ファンコミュニティがしっかりしているか?」などです。

そうしてある程度目星をつけたら、あとはひたすらニュースを追い、好材料が出たら仕込んで、2~3日から数週間の短期間で取引を完結させるスイングトレードをする。これを愚直に繰り返すことが、最も高騰する銘柄を摑める方法だと思っています。


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仮想通貨投資界のニュースターが読むビットコインの”天井”とは?(写真はイメージ)

半減期を迎えるこれからが本番

そして、僕がたどったような投資履歴は、2024年の今からでも十分に再現できると思います。むしろビットコインが4月後半に「半減期」を迎える今からが本番です。

半減期とは、4年に一度ビットコインのマイニング報酬が半分になるイベントのこと。ビットコインの全期間チャートを俯瞰で見ると、半減期から数か月後に価格が急騰し、バブルを形成するという動きが、過去3回連続で起きていることがわかります。

バブルが起こる理由はさまざまですが、簡単に説明すると、そもそもビットコインはデジタルゴールドとも呼ばれ、金(ゴールド)と同じような性質を持っており、需要と供給のバランスの仕組みから、価格が右肩上がりに形成されやすいように設計されているということ。

バブルは「市場全体の共通認識」から起こる

また、チャートにはみんなが同じイベントに注目すればするほど価格が上がりやすくなるという多数決の原理が働きます。つまり、「半減期を起点としてバブルが形成される」という共通認識があればあるほど、本当にバブルが起こりやすくなるのです。

さらに、今回は半減期前に空前のビットコインETFが承認されたことで、個人投資家だけでなく機関投資家や企業、国単位で注目を集めています。


こうした事情から、‘23年からすでに前倒しで上昇が始まったという認識を持っています。とはいえ、今回も例年通り半減期後にピークを迎えるだろう、というのが個人的な観測です。

ピーク時「1BTC=3600万円」を予想する根拠

では、今回の上昇相場はいつまで続くのかと言えば、私は’26年11月まで続くと見ています。過去のバブル時のチャートを時間軸で見ると、初回が1年、2回目が1年半、3回目が2年弱と一定の規則に従って推移しており、その流れから今回はだいたい2年強になる。それが’26年11月にあたるからです。

また、長期間のチャートの値動きを見ても、これも同様に規則的な動きをしています。もし本当にデータ通りになれば、ピークは1BTC=約30万ドル。
1ドル=150円換算にすると、1BTC=約3600万円です。「そんなことあり得ない」と思う方もいるかもしれませんが、こうなってもおかしくはないと思わせてくれるような根拠は複数挙げられます。

ひとつは、前例があるということ。実は、‘20年のバブル時にも、当時の最高値から6倍を記録しています。’23年3月に更新したビットコインの最高値は7万ドル。6倍なら42万ドルになります。

ふたつ目は、時流が味方をしているということ。もっともわかりやすいのが、昨年の仮想通貨バブルの火付け役ともなったビットコインETFの承認です。これにより、ビットコインと同様の性質を持つ金(ゴールド)ETFから、現在進行形で資金が流入し続けています。

最後が、機関投資家のビッグマネーが仮想通貨市場に入ってきているということ。1回目のバブル時は開発者やごく少数の先見の明のある人達、2回目は一般投資家、3回目は国・企業と、ビットコインの成長と共に参加者の規模が大きくなってきています。そして今回は一撃で市場の動向さえ左右できるほどの巨額の資金を持った資産運用機関が参戦してきました。

こうした根拠を基に、私も1BTC=3600万円まで上がることを期待しながら、しかし注意深く動向を探っている。そういう状況になります。

「暴落の可能性」とどう向き合えばいいのか

もちろん、最適な戦略はその時々の状況によって変わります。特に今回は「ビットコインETFの承認×半減期」という、仮想通貨の歴史の中でも例のない状況です。個人的にはどのような化学反応が起こるのか非常に楽しみではありますが、裏を返せば、誰もが予想できない暴落が起こる可能性だってあり得ます。

仮想通貨はただでさえハイリスクな投資先ですから、そのリスクはいつも考えておかなければいけません。私も仮想通貨投資を始めてまだ2年弱なので、ハッキリ言って素人に毛が生えたようなもの。これからは未知の世界です。

しかし、確かなことがあるとすれば、「あくまで余剰資金で投資をする」「上昇相場に浮かれて加熱しすぎてはダメ」といった投資リテラシーは不変であるということ。そういった投資の基本を踏まえていれば、今の仮想通貨はかなり“勝ちやすい”状況だと思います。(全3回/1回目)

<取材・構成/桜井カズキ>

―[資産[10倍]にする投資術]―

【個人投資家 カツ男】
‘22年末から仮想通貨投資を始め、ファンダメンタルズ分析を駆使して1年で億り人に。「かつおのアルト講座」というDiscordを運営中。Xは@katsuo_trade