そんな愛田るかさんが、令和の世の中にセクシー女優として電撃復活。過去のお話から復帰のお話まで、すべてを語ってもらいました。
彼氏にお願いされた引っ越しの資金のためにデビュー
――愛田るかさん、いまだにSNSで「好きだったセクシー女優」として名前を挙げる男性も多くいますよね。愛田るか(以下、愛田):そうなんですね、うれしいです。
――そもそも1995年に、愛田さんがセクシー女優としてデビューしたきっかけは?
愛田:それはもう、お金です。引っ越しの資金がほしくて。
――「お金」と聞くと「借金」のイメージがありますが、そうではないんですね。
愛田:借金じゃないんです。当時の彼氏がミュージシャンで、彼が「事務所の側に家を借りてほしい」と言うので、引っ越しを決めました。
――彼氏のため、ですか。それは献身的なお話ですね。
愛田:そのミュージシャンには別に彼女がいたんですけど(笑)。まあ、私そのあたり気にしないんですよ。
――当時としては進歩的な考え方、と言えそうですが(笑)。それで、引っ越しにはいくらくらい必要だったんですか?
愛田:敷金・礼金・前家賃が6か月分くらいかかるのと、家具もほしかったので……200万円くらいですね。働いていたキャバクラのお客さんにビデオメーカーの社長さんがいたので「セクシー女優って儲かる?200万円ほしいんだけど」と聞いたら「すぐ稼げるよ」と。
セクシー女優の楽しさにハマってしまって活動継続

愛田:それで4本契約して、お金を稼いだら辞めるつもりだったんです。でも現場が楽しくなっちゃって、続けることにしました。
私、アイドルになりたかったんですよ。セクシー女優になったら、サイン会でファンとも触れ合えるし、チヤホヤしてもらえるし。「あ、これは私が好きな世界だ」と思って、撮影してくれるところがある限り、セクシー女優として活動しよう、と決めたんです。
――なるほど、そういう流れだったんですね。ちなみに、ミュージシャンの彼とはどうなったんですか?
愛田:私が有名になってきたら、向こうの事務所の社長さんに「いやー、ウチのバンドも売り出し中でさ。あいちゃん、ちょっとマズイんで別れてくれない?」って(笑)。
――それで別れたんですね。そういうところは執着しないんですね。
愛田:そうですね、「ま、いっか」くらいの感じで。
セクシー女優と同時に始めたストリップの収入はまさかの赤字連発

愛田:むしろ、ストリップを始めてからお金に困るようになりました(笑)。
――どういうことですか?
愛田:劇場に行くと、10日、20日とずっとそこにいるんですけど、毎日仲の良い子と飲みに行っちゃって。あとは衣裳ですね。私、凝り性なので衣裳はオーダーしていたんですけど、それが10日分のギャラと同じくらいかかっちゃうんです。
――え、じゃあ出演してもプラマイゼロ……というか、マイナスじゃないですか。
愛田:そうなんです(笑)。だから事務所に借金をお願いしてたんですが、それも限界が来ちゃって。「稼げる職場」としてオトナのお店を紹介してもらいました。
――それは予想外の流れでした。実はけっこう、お金を使っちゃうタイプなんですか?
愛田:はい、貯金できないタイプなんですよね。でも今では積み立て貯金を始めて、コツコツ貯めてます(笑)。
「今は熟女がイケる!」と聞いて復帰を決意

愛田:実は私じゃなくて、私の知り合いが事務所を探していたんです。そこで私が、昔の知り合いの伝手を辿っていろいろ聞いていると「あれ、るかさんは出演しないんですか?」と聞かれて。
「私なんて、50を超えたおばさんだよ」って言ったら「いやいや、今は熟女がイケるんですよ」って言われたんです。じゃあやってみようかなって、今の事務所を紹介してもらったんです。
――では、全然復帰は考えてなかったんですね。
愛田:はい。でも話を聞いて「やってもいいんだ」って。需要が増えているなら、もう一花咲かせたいなって思ったんです。
セクシー女優のことはいまだに両親に言っていない

愛田:いえ、していません。そもそも私、デビューのときも話していないんですよ。
――ずっとバレなかったんですか、それもすごいですね。
愛田:家にビデオデッキすらなかったですし、今もスマホすら両親は持っていない、超アナログ家庭なので。雑誌も読まないし、私が東京にいるときに実家は引っ越していて、近所の人は私の存在すらよく知らないので、周りから話が耳に入る可能性もないんです。
――じゃあ、ご両親は愛田さんが東京でなにをしていると思っているんですか?
愛田:一度、六本木でダイニングバーを開いたんです。2年で閉めちゃったんですけど、それもあって今はキャバクラでママをやってる、ってことになってます。
昔の撮影のほうが「なんでもアリ感」はあったかも……
――久しぶりの撮影はいかがでした?愛田:まず、契約書にビックリしました(笑)。あとは撮影のスケジュールがかなり詰まっていて、撮影内容がカッチリ決まっていて流れ通りに撮影していく、必要なシーンを必要なだけ撮影していく、と言うんですかね。その点もかなり昔と違う感じがしました。
昔はもっと女優も男優さんもアドリブを入れたり、ハプニング的なことが起きたり、なんでもアリな感じがあったんです。そういう意味では、昔のほうが刺激的だったかな、とは思います。
――撮影の方法も、かなり変わりましたからね。
愛田:でもそのぶん、監督さんは「このシーンではこう撮れば、女優の魅力が際立つ」と考えて撮影してくれるようになっている、と感じましたね。
美しさをキープするための施術に600万円以上を投資

愛田:はい。でもネイルは、熟女セクシー女優として復帰したので、今はちょっと控えめにしていますね。アンチエイジング施術は、今までトータルで600万円くらいかけてます。でも最初は失敗しちゃったんですよ。
――え、そうなんですか。どのあたりを失敗したんですか?
愛田:眉下を切開して縫うと、加齢で全体的に垂れてくる顔の肌が元に戻るんです。でもそれをやったら、傷跡が残っちゃって。あとそのあとで「クマも取ったほうがいい」「クマを取るとそこがへこむので、脂肪を注入したほうがいい」なんて言われたんです。
そうしたら予算50万円から150万円くらいになっちゃった。さすがに「無理です」って言ったら「大丈夫、医療ローンが使えます」って(笑)。
――ええ、それはヒドイ。
愛田:そこから美容オタクになりましたね。自分が知識を持っていないと、失敗されるような施術も受け入れてしまうんです。だから今はめちゃくちゃ美容について、勉強していますよ。
食事と運動で6㎏減量
――ほかにはどんな美容対策を?愛田:ウォーキングに、スクワットとか。あとはダイエットですね。実は58㎏まで太っちゃったんですけど、食事と運動で52㎏まで落としました。
ユーザーさんに見てもらうのに、ガッカリされたくないじゃないですか。「愛田るか、今もキレイだな」って言ってもらいたいので。
――その意識があれば、これからもますます美しさに磨きがかかりそうですね。
愛田:はい、努力はしていきます。ずっとファンでいてくれた方も、これからファンになってくれる方も、どちらからも応援してもらえるように頑張りたいです!
<取材・文/蒼樹リュウスケ 写真/スギゾー>
【蒼樹リュウスケ】
単純に「本が好きだから」との理由で出版社に入社。雑誌制作をメインに仕事を続け、なんとなくフリーライターとして独立。「なんか面白ければ、それで良し」をモットーに、興味を持ったことを取材して記事にしながら人生を楽しむタイプのおじさんライター