物価高など、さまざまに要因によって外食の価格も高止まり。高騰するお米ナシでは成立しないカレーライスももろに影響を受けてしまっている状況が続いています。
たとえば、ココイチでも1,000円超えメニューが珍しくなく、それに伴い“客離れ”が叫ばれているわけです。
一方で存在感が日に日に増しているのが大手牛丼チェーン。すき家は「カレー並盛」が490円、吉野家は6月から再登場の「スパイシーカレー」を並盛498円に設定。いずれも500円を切っており、なおかつ店舗数もけた違い……牛丼チェーンが、いまや“カレーインフラ”として機能していることは言うまでもありません。

そして松屋です。少し前まで足並みを揃えていたのですが、ここにきて独自路線に舵を切る展開に。480円のオリジナルカレーを一度休止し、ファンも多かった「創業ビーフカレー」を期間限定で復活販売中なのですが、かつて490円で提供していたこのカレーを780円まで値上げしてしまったのです。

「創業ビーフカレギュウ」、1150円か…

「1150円」になった松屋のカレギュウを“170円安く食べら...の画像はこちら >>
松屋の期間限定メニューにおいて、「780円」という価格は珍しくありません。これに関しては、それほど驚きはしなかったのですが、ギュウを乗せた「創業ビーフカレギュウ」が1150円……。牛丼チェーンらしからぬ価格になっていて、さすがにメニュー画面を二度見することに。

創業ビーフカレーがレギュラーメニューだったころは、“ギュウ乗せ”が720円だったので、現在の価格と比較すると430円も高くなっているのです! 創業ビーフカレーは“カレギュウ派”の筆者にとって大問題。ここまで値上がってしまうと、さすがに注文をためらってしまいますね。

創業ビーフカレギュウを諦めてプレーンの創業ビーフカレーを食べても良かったのですが、胃袋はすでにカレギュウモード……。
それならば、リーズナブルにカレギュウが楽しめる松屋の裏技「ミニ牛皿」で乗り切るとしましょう。

「ミニ牛皿」(200円)を活用すべし

「1150円」になった松屋のカレギュウを“170円安く食べられる”裏技を考えた
創業ビーフカレー(780円)とミニ牛皿(200円)
プレーンの創業ビーフカレー(780円)とミニ牛皿(200円)をオーダーし、セルフでミニ牛皿を乗せると170円も安い980円で「創業ビーフカレギュウ」が完成ーーこれでかなりお得に念願ののカレギュウが楽しめます。

久しぶりに食べる創業ビーフカレーは旨味のパンチで攻め込む超濃厚なあの味わい。カレーに溶け込むビーフの風味とスパイスの香り、繊維状になるまで煮込まれた牛肉が懐かしいです。

「1150円」になった松屋のカレギュウを“170円安く食べられる”裏技を考えた
裏技で十分満足できる代物に
プレーンでももちろん美味しいですが、ギュウと合わさると旨さが倍増するのが松屋のカレー。ギュウを噛みしめながら濃厚な創業ビーフカレーをかき込むと、口いっぱいに広がる牛肉の喜びが。創業ビーフカレーはプレーンよりもカレギュウにかぎりますね!

デフォルトでギュウが乗る1150円の創業ビーフカレギュウと比べるとギュウの量は少ないですが、しっかりお腹を満たしてくれますよ。松屋のカレーはカレギュウ派の方は、「ミニ牛皿」の裏技を上手に活用してお得に創業ビーフカレギュウを味わってみてください。

2年前に松屋が失速したのは…

他の牛丼チェーンとともにカレーの庶民価格を維持してきた松屋ですが、今回の創業ビーフカレー780円、創業ビーフカレギュウ1150円は高価格路線復活への布石なのでしょうか。

かつては牛丼チェーンの中でも圧倒的な存在感を放っていた松屋のカレーが失速するきっかけになったのが、2023年1月に投入された当時としては高額の「松屋ビーフカレー」(680円)だったと記憶しています。

同じ轍を踏まないためにも、そして庶民の味方であり続けるためにも、今後の動き方には慎重になってほしいと切に願います。

<TEXT/スパイシー丸山>

【スパイシー丸山】
インド料理からお家カレーまで精通する次世代のカレー研究家。日本野菜ソムリエ協会カレーマイスター養成講座講師。
レシピ、食べ歩き、商品情報など、カレーにまつわるさまざまなトピックを日々発信している。著書『初めての東京スパイスカレーガイド』 ブログ:カレーなる365日 X:@spicy_maruyama
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