メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。
この夏、絶対に買うべき「無地Tシャツ」
いよいよ夏本番となって参りました。今回は毎年迷いがちな「無地Tシャツ」!
最近は同じ無地Tでもシルエットや機能性などさまざまなバリエーションが豊富に揃っているためどれを買っていいかわかりにくい……。
そこで、今回は年間3000万円服を買う日本屈指の洋服コレクターである私が、今年買ったTシャツの中でも「コスパ最強のマストバイ8選!」をお教えしましょう!
Hanes
・BEEFY/ビーフィー 無地 クルーネック 半袖Tシャツ 2299円
ヘインズといえばパックTが有名ですが、通常ラインのものではなく、牛のグラフィックが描かれている「ビーフィー」がイチオシ。
ヘインズは肌着メーカーですから、着心地は抜群。程よいフィット感なども素晴らしくメンズでは定番となっていますが……その反面、肌着メーカーらしく、やや薄手で頼りないのも事実。通常のヘインズパックTは薄すぎて洗っていくとヨレるのが早く、1シーズン持てばいいほうです。
タフな素材でありながらも滑らかで光沢感の強い質感

タフな作りにするとどうしてもガサガサとした素材になることが多く、いかにもアメカジな粗野な雰囲気が出てしまい、ラグジュアリーな風合い大人な印象からは遠ざかることが多いもの。しかし、このビーフィーはタフな素材でありながらも滑らかで光沢感の強い質感を実現。
タフで頑丈で耐久性が高い光沢があり、シルキーで高級感があるこの相反する2つを両立している名作中の名作Tシャツです。
シルエットもほどよいリラックスフィット感が心地よく、どんなスタイリングにもハマります。175cm66kg普段L着用の私でこちらはLがちょうどいい。ですが、トレンドライクに着るなら1サイズUPがいいでしょう。
BOODY
・メンズ クルーネックTシャツ 3900円
大きな特徴は素材感。一生でこれほど着心地のいい服に出会ったことがない、というくらい柔らかく滑らかでシルク以上にシルキータッチな最高の着用感です。着心地にこだわる人ならBOODY一択で間違いないでしょう。接触冷感性もあり、真夏でも抵抗なく、黒Tが着用できます。
秘密は原材料、こちらは竹を繊維として加工して使う「バンブーレーヨン」を採用しています。通常のレーヨンと比べ消臭効果が高く、さらに独特の滑らかな風合いを実現してくれます。
化学繊維らしく耐久性が極めて高い

175cm66kg普段L着用の私でこちらはLがちょうどいい。ですが、伸縮性が高いので、あえて1サイズ小さく着て、筋骨隆々に見せるのもいいかもしれません。
ちなみに白は乳首が少し目立ちやすいので、乳首が立ちやすい人は注意です。
無印良品
・紳士 天竺編みクルーネック半袖Tシャツ 990円
990円と格安、無印の中でも一番安いカジュアルTシャツとなっています。が、こちら細いコットンを天竺編みで生地にしており、光沢感が素晴らしい。
まるで高級ブランドのような艶のある風合いを実現しており、他ブランドの990円Tと比較すると雲泥の差があります。
耐久性と光沢感を両立した最安Tシャツ

首元は伸びにくくするためか頑丈に作られており、そのためやや詰まった印象があるのが残念。首は延びにくいため耐久性的には素晴らしいのですが、もう少し首が開いたほうが色っぽい印象が出るのに。
ただ、耐久性と光沢感を両立した最安Tシャツ、というのであればこちらがおすすめ。
ユニクロ
・ドライカラークルーネックTシャツ 590円
こちらコットン素材かと思いきや実はポリエステル混紡になっています。見た目にはどう触ってもコットン100にしか感じられませんが、ポリ混のため何度洗っても経年変化が起きにくい。
薄く柔らかい素材ながらタフで耐久性の高いアイテムとなっています。
光沢はなくても590円なら大満足

ビッグシルエットに食傷気味で大人な印象のジャストサイズTがほしいという方におすすめ。590円ならチャレンジもしやすいでしょう。
程よいサイズで、気持ち悪いピチピチ感も出ず、かつ耐久性も高く通気性もいい。ほかと比べると光沢などはさほどありませんが、590円なら大満足。175cm66kg普段L着用の私でこちらはLがちょうどいいです。
MUJI Labo
・紳士 コットンハイゲージニット半袖プルオーバー 4990円
編み地がわかるニット素材になっているため高級感は他アイテムと比べるとはるかに高い。細いコットン撚糸を使った独特の光沢とシャリ感がポイント。撚糸とは糸をねじるように撚っていくことであり、高度な技術が必要とされる製法です。
撚糸にすることで特有のシャリ感が生まれて光沢感も出てくる。「この素材、一瞬リネンかな?」と思えるくらい独特のタッチ感があるのですがこれは撚糸の特徴ですね。ラグジュアリーな雰囲気たっぷりです。
色っぽい雰囲気を演出する首まわり

シルエットはクラシックになりすぎないようにややリラックスサイズに作られておりこれがたまらなくカッコいい。ニットTはともするとオジサンくさい印象になりかねませんが、これはちゃんと「シブ・カッコよく」なりますよ。
175cm66kg普段L着用の私でこちらはLがちょうど良かったです。
GU
・ドライポンチT(5分袖) 1290円
夏の定番ドライポンチTです。ユニクロが一世風靡した「エアリズムコットン」シリーズと同じ作りです。
エアリズムコットンはややモチッとした質感ですが、ドライポンチは少し薄くサラッとしており夏はこちらの方が良いのではないかと思っています(好みもありますが)。
大人っぽい「やや縦長のシルエット」

こちらはまだ世間にそこまでバレてないですし、そもそもエアリズムコットンと比較するとやや縦長のシルエットとなっており、大人っぽい。エアリズムコットンは横幅のあるカジュアルなサイジングですが、こちらはシャツライクな縦長。しかも、こちらのほうがやや安いので尚更おすすめです。
175cm66kg普段L着用の私でこちらはLがちょうどいいですが、1サイズあげてXLで着用することも多いです。
GU
・ウォッシュドワッフルボクシーT(5分袖)(オーバーサイズ) 1990円
トレンドであるヴィンテージ加工のものがほしいならこちら。
GUは今季こうしたヴィンテージ加工のものを多く展開していますが、ワッフル素材に加工を施したこちらがマストバイです。ワッフルというミリタリーでも引用される素材を使い加工をしているのでとにかくリアル。
風合いは土臭く男性的でいかにも古着らしい雰囲気を思わせます。
加工感は1990円とは思えないほどリアル

着丈がやや短く設計されているため、ワイドパンツでも合わせやすく、今年っぽいスタイリングをするならぜひ手に入れてほしい。加工感は1990円とは思えないほどリアルで、さすがGUです。
175cm66kg普段L着用の私でこちらはLがちょうどいいですが、着丈の短さが気になる人は1サイズUPしてもまったくおかしくはなりません。
COMME des GARCONS HOMME
・LOGO TEE 9900円
こちらははっきり言ってなんの変哲もないTシャツ。素材もシルエットも大きな特徴はありません。よくいえば「ベーシック」だし、悪くいえば「普通」、ギャルソンが作るのだからさぞかし特別な素材形なのだろうと期待するかもしれませんが、残念ながらごくごく普通のTシャツです。
ギャルソンは昔から「お土産もの感覚で手にできるTシャツ」を複数ラインで展開しヒットを飛ばしていますが、こちらもその類に近い。……と書くとなんだか批判しているように感じるかもしれませんが逆です。褒めてます。
この手のごく普通のTシャツは誰もが手にするものだし、誰もが1シーズンに1枚くらいは買ってしまうものでしょう。しかしどのTシャツを選んでも正直特別感などありません。審美眼のある方なら今回紹介しているような特別な印象のものを手にできるでしょうが、普通に買えば極めて没個性なTシャツしか手にできないでしょう。しかし、こちらはロゴがあります。
ごくごく普通なのに、特別感が出る

「あ、普通に見えるけどギャルソンか。きっとあえて普通のTシャツを選んでいるんだろうな」というなんか”わかった感”がありますよね。他ラグジュアリーだと「ただの成金根性でブランドのロゴT買っててw草生えるw」なんて思われるかもしれませんが、なんかギャルソンにはそれがない。「知ってるんだぞ俺」という上級者感出てくれます。
ロゴ以外、本当にごくごく普通のTシャツなのですが、どこか特別感があり、上級者感が出るのも事実。それを9000円程度で手にできるのなら、それも一つの価値だと私は思うのです。というわけでファッション上級者だあと見栄を張りたい人におすすめ。175cm66kg普段L着用の私でこちらはLがちょうどよかったです。洗うと少し縮みやすいので注意です。
以上、マストバイTシャツでした!
―[メンズファッションバイヤーMB]―
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)