大事件ばかりがニュースではない、身近な小さな事件の方が人生を左右することも。夏にまつわる大反響を呼んだ仰天ニュースを特別セレクション!(初公開2021年7月29日 記事は取材時の状況) *  *  *

花火大会では喧嘩するカップルの姿も…

浴衣で花火デートに挑んだ20代女性の大失敗。ヘアセットの遅刻...の画像はこちら >>
 夏になると、恋人と一緒に海水浴や夏祭り、花火大会などに行きたくなる人も多いはず。

 とはいえ、夏のイベント会場付近では喧嘩をしているカップルを見かけることも少なくない。
お互いのストレスが爆発してしまう原因は多々ある。たとえば、満員電車で動けなかったり、待ち合わせ場所で合流できなかったり……。不測のトラブルまで楽しむぐらいの余裕がなければ、失恋にもつながってしまうのだ。

 今回は、本来なら二人の仲がさらに深まるはずの花火大会で、大失敗してしまったエピソードを紹介する。

【ケース①】念願の浴衣デートで大喧嘩

 彼と付き合って初めての夏、花火大会に行くことになった笹本すみれさん(仮名・20代)は「恋人と浴衣で花火大会に行く」というシチュエーションに憧れがあったという。

「セットサロンでヘアセットと着付けをしてもらい、かわいい浴衣姿を彼に見せようと意気込んでいました。しかし、花火大会当日は、お客さんで大混雑だったんです。私は予約していた時間を30分も押してのスタート。サロン側から予約時に待つ可能性を伝えられていたのにもかかわらず、『せいぜい5分くらいだろう』と思っていて。私の見通しが甘かったのですが」

 案の定、彼との待ち合わせに遅刻してしまった笹本さん。

「遅れることは連絡していたのですが、駅で待ちぼうけをくらった彼は超絶不機嫌モードでした。付き合って以来初めてと言えるほど気まずい空気の中、花火デートがスタートしたのです」

不機嫌な彼に対して逆ギレ


浴衣で花火デートに挑んだ20代女性の大失敗。ヘアセットの遅刻で大喧嘩、彼氏はその場から走り去った――仰天ニュース特報
浴衣
 機嫌を直そうとあれこれと話しかける笹本さんだったが、一向に機嫌が良くならない。笹本さんも、そんな彼に対してイライラが募る。

 ついに、「遅れたことは謝ってるじゃない!」とケンカをふっかけてしまう。


「遅刻してきたうえに、逆ギレをかます私に対して当然彼もブチギレます。『遅刻しといて何だ、その言いぐさは!』『うるさい!』『そもそも浴衣なんて』『はぁ!?』と低レベルのケンカを繰り広げていました」

 屋台が立ち並び多くの人でごった返す道のど真ん中で大声を上げる二人。そしてとうとう……。

ついに限界「お前とは別れる」


「彼は『花火見たいなら一人で見とけ。おまえとはもう別れる』と言い残し、その場から走り去っていきました。ぽつんと取り残された私は、しばらく呆然。そのままふらふらと一人で歩きました」

 目的地があったわけでもなかったが、「恋人と浴衣デートを楽しむために努力したら恋人にフラれた」という現実を受け入れるまでに、しばらく時間が必要だったと笹本さんは話す。

「かわいい浴衣にズタボロの表情のまま一人でさまよっていると、花火の音が聞こえてきました。見上げるとそこには大きくて立派な花火が上がっていました」

 その花火を見て少し目が覚めた笹本さんは、やっと「帰ろう」と思い、ひとり孤独に帰宅したという。

【ケース②】高速道路が“予想外”の大渋滞

 車を購入したばかりの中野洋二さん(仮名・40代)は、当時まだ付き合って間もない彼女と花火大会に行くことになった。

「事前にどの場所が見やすいのか、車でも行けるかどうかを念入りに調べて当日を迎えました」

 当日は、何とか仕事を切り上げて急いで彼女を迎えに行った。地元の駅前から花火大会の場所までは高速で30分の距離。事前に調べた結果では、近くのSA(サービスエリア)がとてもよく見える穴場だったという。しかし、この考えが甘かった。


「会社でこのことを話していると、同僚から『その時間で大丈夫か』と言われました。私は余裕を持って予定を組んでいたので楽観視していたのです。目的地に近づくにつれて車も多くなり、スピードも穏やかになり、最終的には渋滞にハマって一切動かなくなってしまいました」

花火の音を聞きながらテレビ中継を見ることに


 ほとんどの車が、同じ目的地であるSAを目指していたのである。そんな中、花火大会は始まってしまい、窓を開けると音は聞こえるものの目の前の山が邪魔となり、花火がまったく見えない状況に。

「彼女の機嫌はどんどん悪くなりました。最終手段で、音を聞きながらカーナビのテレビ中継で花火を見ることになったんです。私の予定では、人の少ないSAで彼女の肩に手をまわしながら花火を見るはずだったのに。放送しているテレビ局のチャンネルをまわすことになるとは……」

 中野さんは悔しさをにじませた。

 誰もが憧れる恋人との花火大会デートだが、あまり「うまくいった」という話を聞かないのは気のせいだろうか……。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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