高橋さんは、「このままではダメだ!」「人生の選択肢を増やしたい」と投資スクールに通い、安定して毎月20万円を稼げるようになり、今度は自らが「教える側」に転身。同じように「もっと稼いで未来を切り開きたい」と考えている女性のためにオンラインで投資スクールをスタートした。スクールを始めて5年たった今、延べ1,300人以上の生徒を指導しているという。また、自身の投資とスクールの運営で年商2億円程度まで事業は成長し、初となる著書『バカでブスな主婦が年商2億になるまでの27の逆転マインド』(サンライズパブリッシング)では、その逆転マインドを明らかにしている。
今回、何者でもなかった1人の主婦がいまや年商2億円を稼ぐようになるまでの波乱万丈、紆余曲折の道のりと、低収入からでも人生を逆転するマインドを聞いた。
手取り13万円、借金150万円の極貧生活……
--高橋さんはもともと美容師として働き、手取り月13万円だったそうですね。高橋里奈(以下、高橋):高校2年の進路相談のとき、私が選んだ道は教師だったんです。公務員で安定しているし、親に喜んでもらえて、社会的にも認めてもらえる仕事だと思ったからです。でも、自分が心からやりたいことではなかったんですよね。周りの期待に応えれば、こんな自分でも輝けるんじゃないか。そんな「他人基準」で将来を選んだのが大きな失敗でした。
大学受験では、第1志望には合格できなかったものの、なんとか教育学部に進学できたんです。
結局、教師には向いていないと気づいて、大学を中退しました。その後、通信で美容師の資格を取って美容師として働き出すことができたのですが……美容の仕事は楽しかったけれど、月収は手取り13万円とギリギリの生活でした。

高橋:はい、一人暮らしなど夢のまた夢で、実家暮らしで何とか生き延びていたくらいです。朝8時から終電近くまで働いて、それでも月の手取りは13万円。薄給激務でしんどかったし、結局、美容師の仕事も5年ほどで辞めたのですが、それでもあのまま教師になるよりはよかったと思います。
周りからの評価や期待という「他人基準」で自分の進む道を決めたのが間違いで、自分が本当にかなえたい夢は何なのかと自分基準」を貫く大切さを学びましたね。
結局、5年ほどで美容師の仕事を辞め、最後のチャンスと決めて、アパレルのバイトをしながら昔からなりたかった歌手の道を目指すことにしたんです。とある事務所のオーディションで最終の9人にまで選ばれ、その後、練習生としてレッスン費150万円を支払って1年間活動しましたが、結局、芽は出ずに1年間で活動は終了……。
レッスン費はカード会社からの借金で支払ったので、1年後に残ったのは借金だけ。
--歌手の道を諦めてからは?
高橋:その後は美容師の資格を生かして、まつげエクステやまつげパーマの専門職であるアイリストとして働き始めました。前職よりは待遇もよくて、この頃から副業でもっと稼げないかなと考え始めたんです。
そこで私が選んだのが、ネットワークビジネスでした。ネットワークビジネスといってもそれほど怪しいものではなく、広告の力を借りることなく、口コミで商品の魅力を伝えることで、会員にも報酬が支払われるという仕組みは素晴らしいと思って、挑戦してみることにしました。
けれど、実際にやってみるとやっぱりネットワークビジネスで、会員になってもらうためにたくさんの人に声をかけなければならないし、会員になってもらった人にもさらに会員を増やしてもらって、どんどん枝葉が広がっていくようにしなければ利益にはつながらなくて……。
私は、商品に興味のない知り合いを無理やり勧誘して会員になってもらうことはできなかったし、そこまでしてお金を稼ぎたい、成功したい、という気持ちにはなれなかったんです。勧誘によって時には人間関係にヒビが入ったり傷つけたりすることもありました。誰かを巻き込んでお金を稼ぐシステムは、人を傷つける可能性があるし、自分には向いていないのだと気づきましたね。
それなら人を巻き込むのではなく、自分一人で完結するかたちでお金を稼いで成功したい。誰かを傷つけてまで手に入れたい成功なんてない。
一晩20万円の損失から投資の勉強へ

高橋:自分には向いていないと気づいてネットワークビジネスからは早々に撤退したのですが、どうやったら副業で稼げるかを考えていたときに出会ったのがバイナリーオプションでした。
バイナリーオプションとは、例えばドル/円が一定時間後に、指定したレートを上回っているか、下回っているかを二者択一で選ぶ取引のこと。シンプルな二択ですぐに結果がわかるということもあってエンタメ性が高く、もともとパチンコなどのギャンブルが好きな私はすぐにハマってしまいました。
けれど、投資の知識もないのにノリだけで始めてしまった代償は大きく、1万円、2万円と負けを繰り返していくうちに、一晩であっという間に20万円も損してしまったことも……。
バイナリーオプションは取引の仕組みが二者択一で単純なので、簡単な取引だなと思って始めたのですが、実際は専門知識や高度なリスク管理が必要な取引だったんです。
--高い勉強代となってしまったんですね。
高橋:このまま知識もないままにバイナリーオプション取引を続けてドブに金を捨てるよりは、「きちんと勉強して稼げるようになろう!」と決意して、オンラインの投資スクールを受講することにしたのです。
投資スクールの費用は約10万円と決して安くはなかったですが、「これはよりよい未来への投資、惜しんでいる場合じゃない!」と自分に言い聞かせて、なけなしの10万円を支払いました。
結果的には、この投資によってFXやその他の投資の知識も深めることができ、半年後には毎月安定して20万円ほどを稼げるようになったんです!
そして、自分のように変わりたいと思いながらもがいている女性の力になりたいという思いで、自らオンラインで投資スクールを運営するまでになりました。スクールを始めて5年たった今では全国に延べ1,300名以上の生徒さんがいて、自身の投資とスクールの運営で年商2億円程度まで事業は成長しています。
投資で負けても「ラッキー!」と考える

高橋:私がずっと大事にしている習慣の一つに「ラッキー選手権」というものがあります。「なんだそれ!?」って思う人も多いと思いますが、これは私が一人で頭のなかでやっていることです(笑)。
例えば「子どもが離乳食を床にぶちまけた」とか、テンションが下がる悪いことが起きたとします。そんな時こそ、頭の中で「子どもが離乳食を床にぶちまけた、ラッキー!」って感じで、語尾に無理やり「ラッキー」をつけるんです。めちゃくちゃですよね(笑)。
でも、「ラッキー」ってつけることで、自然と頭が「なんでラッキーなの?」って考え始めるんです。私の場合だと、「床がびっちゃびちゃになっちゃったけど、久々にウェットティッシュで床をきれいにピカピカにできて、いいタイミングだったな~!」「ついでにサボっていたリビングの床掃除も一気にやっちゃおう!」「このおもしろい悲惨な光景を写真に撮っておけば子どもが大きくなったときに一緒に見返して、将来楽しめるネタの一つになるかも!」と、失敗だったはずのことをポジティブに捉えることができました。
これは、誰に言われて始めたのではなく、社会人になって働きはじめたくらいのときからずっとやるようにしています。とんでもなくひどい出来事があっても、無理やり頭の中で「ラッキー選手権」をやることで、物事のいい側面だけを見ていくという「考え方のクセ」がしっかり身についていくんです。
--この考え方は日常生活以外にも投資に活きているんですか?
高橋:はい、めちゃくちゃ活きています! それこそ一晩で20万円もの大金を溶かしてしまった時も、「一晩で20万円溶かしちゃった! ラッキー!」って無理やり語尾に「ラッキー!」をつけてみたんです(笑)。
でも、「みんなこういう失敗を経験して投資で成功していくものだし、もっと大きな金額を動かしている時でなくてよかった」と思えました。それに、当時はアイリストとして毎日働いていたので、お給料が安いとはいっても安定していたし、家賃が払えなくなるわけでもないし、明日から食べていけなくなるわけでもないしな~って。
失敗によって失ってしまったものではなく、逆転の発想で未来のことをたくさん考える。騙されたと思ってぜひ一度やってみてください!
【プロフィール】高橋里奈(たかはし・りな)
ママ投資家インフルエンサー。
1991年、埼玉県出身。学生時代は勉強が苦手で、高校をギリギリで卒業。大学中退後は美容師をしながら歌手を目指して音楽業界に挑戦したが、150万円の借金を抱えるハメに。その後も美容の仕事やネットワークビジネスに取り組むがうまくいかず、極貧状態に。2019年に投資と出会い、FXや株式投資をスタート。半年後には月収20万円を達成。現在は不動産、事業投資等もあわせ年商2億円を達成し、1LDKのアパートを出て家賃80万円の湾岸エリアマンションに住む。
また、投資家として成功を収めるだけでなく、多くの女性に投資の知識を提供し、経済的な自立を支援している。オンライン投資スクールは、初心者向けにZoomやLINE を使用した指導を行っている。
毎月5名の子どもたちにランドセルをプレゼントする企画を実施し、社会貢献活動にも力を入れる。
<取材・文/日刊SPA!編集部>