2026年4月使用分(5月請求分)から、電力大手10社の電気料金が値上げされる。値上げの理由は、政府の物価高対策である電気・ガス料金補助が終了するほか、再生可能エネルギー普及のための賦課金が上乗せされる影響のため。
東京電力の場合、標準家庭の料金は8777円と458円値上がりするという。

省エネ性能が低いと電気代の節約は難しい

「年間2万4000円」ほど電気代は節約できる…“効果的なリフ...の画像はこちら >>
 少しでも電気代を節約したいところだが、「省エネ性能が低い家だと電気代が高くなるだけではなく、ほかにも2つのデメリットが考えられます」と警鐘を鳴らすのは、リフォーム、リノベーションを専門とするナサホーム代表取締役社長を務める大城茂氏だ。

「まずは電気代。暖房や冷房が効きにくいぶん、電気代が高くなります。断熱性能にもよりますが、一般的な木造住宅で考えると、省エネ性能が高い家は年間2万4000円ほど電気代を節約できるといわれています」

 あと2つのデメリットは、健康と環境によくないことだという。

「断熱性能が低いと健康へのリスクが高まります。ヒートショック(急激な温度変化による血圧乱高下)の影響と考えられる死亡事故は一定数起きていますし、室温を2℃上げると要介護認定を受ける年齢が約3年遅くなるという統計結果もある。また、断熱性能が低い家はエネルギー効率が悪いので、CO2の排出量が増えてしまいます」

中古物件は省エネ性能を確認すべき

 マイホームの購入を検討している方で、省エネ性能の高い家かどうかをチェックするには、「築年数に注目するといい」そうだ。

「最新の基準で建てられている新築の場合はあまり気にしなくても大丈夫なのですが、中古物件を購入する際は確認したほうがいい。住宅や建築物の省エネルギー性能を評価する省エネ基準は、時代に合わせて改正され、強化されてきました。2014年以降に建てられた物件ですと、省エネ効果が期待できる“断熱等性能等級4”だと思います」

 築年数と合わせて窓もチェックすべきポイントになる。

「窓は熱を逃がしたり、入れたりする場所なので、サッシやガラスの断熱性能が高いかどうかも確認しましょう。高い断熱・遮熱性能を誇る“Low-Eガラス”などが使われていると、省エネ効果が期待できます。

 また、可能なら点検口から天井や壁の中の断熱材もチェックすると安心です。
グラスウールと呼ばれる断熱材が一般的ですが、隙間なくきちんと入っているかどうかは素人目に見てもわかると思います」

省エネ性能を高めるリフォームとは?

「年間2万4000円」ほど電気代は節約できる…“効果的なリフォーム”のポイントをプロが解説
写真はイメージ
 では、リフォームで省エネ性能を高めるにはどうすればいいのか? 大城氏は「コスパがいいのは窓」だと教えてくれた。

「光熱費の削減効果を最も実感しやすいのが窓のリフォームです。省エネ性能を高めるなら窓のリフォームから行うのがオススメですが、費用は窓の枚数や大きさなどによって変わってきます。使える補助金のルールも年々少しずつ変わっているので、リフォーム会社に相談しながら進めるといいですが、多く見積もって100万円くらいあれば窓をリフォームできるのではないでしょうか」

 窓の次にリフォームを検討すべきは、天井と床下だという。

「屋根からの熱と床下からの冷気を防ぐために、断熱材を入れると効果的です。費用は施工方法などによって変わりますが、床下ですと、平米あたりおおよそ3000円から5000円くらいが相場になると思います」

耐震リフォームも有効な手段

 2000年より前に建てられた戸建てに住んでいる方は、「ぜひ耐震リフォームも検討してほしい」とも。

「2000年以降は新耐震基準(2000年基準)になっていますが、それより前だと現行の基準よりも耐震性能が低いです。耐震診断をして問題がある場合は、耐震補強をオススメしていて、弊社では解体箇所が少なく、低コストで施工できる耐震改修“A工法”を採用しています。

 A工法は天井や壁を壊さずに、壁の見えている部分を補強して耐震性能を高められるので、リフォームにピッタリの耐震改修として、全国の自治体でも認められています。補助金のある自治体もあるので、まずはリフォーム会社に相談してみるのがいいですよ。

 断熱と耐震の性能を高めるリフォームは、家族の健康や命を守るうえでも絶対に行ったほうがいい。築年数の古い物件に住んでいる方はこの機会にぜひ検討してください」

【黒田知道】
 
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