「見ての通り常に全力です。妥協とか好きじゃないんですよ」
7月26日、東京ガーデンシアター。
顔に汗を光らせながら、中島健人はそう言って笑った。ソロ活動2年目のツアー「”IDOL1ST 中島健人”LIVE TOUR 2026」が、この日ファイナルを迎えた。2月の京都公演から約5か月、全国10都市27公演。ツアーのテーマは、「ネガティブな闇が晴れ、光の射す夢の場所・東京ドームを目指す最強のアイドルの物語」。まさにアイドル・中島健人が導き出した答えと覚悟が詰まったような内容だった。
中島健人
オープニング、会場が暗転してセンターステージにスポットライトが灯ると、白衣装に仮面をまとった中島が静かに現れた。仮面を外した瞬間に沸き起こった大歓声の中、「SOL1ST」「IDOLIC」と矢継ぎ早に畳み掛ける。「IDOLIC」では曲中に上着を脱いではだけ、ファンの絶叫が会場を揺らした。
中島健人
中島の特異点は、アイドルでありながら楽曲制作を自らの中心に置いていることだ。中学でジュニアに入った頃からメモし続けてきたという歌詞。今も移動中やふとした瞬間にメロディーが降りてくるという。自ら作詞・作曲した「Celeste」はこの日、アカペラからスタート。
青いバラを手に幻想的な歌声を響かせた後、ピンクラメのスーツで「My Sweet Tea」、ファンとのコール&レスポンスで「カレカノ!!」「最初はキュン!」と披露して、会場は一体となった。合間には「誰にキュンしてる? 最初も最後もキュンは俺だけだ」と笑顔でU:nity(ファンの愛称)を沸かせる。
中島健人
ライブ途中で行われた公開会見では和装姿の”若君”として登場し、新曲「鬼事」をサプライズ披露。ファンを”姫”にたとえ「君を、古の恋物語に連れてってあげるよ」と告げ、疾走感と艶やかさが共存する和装パフォーマンスでU:nityをタイムスリップさせた。
中島健人
後半、どんな職業に転生しても最後は必ずアイドルへと目覚める——そんなコミカルな映像が流れた直後、黒衣装でキタニタツヤ提供曲「Waraigusa」を歌い上げた。ステージ上で巨大な白い羽を背負ったそのシルエットには、輝くアイドルであり続けることへの苦悩と覚悟が滲んでいた。
ちょうどこの日、先輩・山田涼介(Hey! Say! JUMP)がソロで東京ドームに立っていた。その事実を受けて中島は「ソロとしてドームに立っている姿はとてもリスペクトできます」と率直な敬意を示しつつ、「必ずU:nityを東京ドームに連れて行きます! そんなに待たせないから」と力強く宣言した。「中島健人としての人生は極端だと思う。でもなんかそっちの方が面白くね?」と笑いながら、「たまに安心したいんだろうけどさ、しばらくは俺と一緒にドキドキしようよ。大丈夫、ずっと求める限りドキドキさせてやるよ」と続けた。
本編ラストは、自身作「Uni:verse」でU:nityと声を重ねた。
「僕という月は皆さんがいなきゃ輝かない」と語ったその言葉通り、アンコールでは会場との一体感がさらに高まった。ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックTEAM JAPAN公式応援ソング「結唱」は、「今年1月、楽曲で日本代表を応援できて本当に嬉しかった。その楽曲は今、U:nityと僕を応援してくれる音楽に進化しました」と静かに紹介して、力強い歌声を響かせた。
8月からは初のアジアツアー(台北・バンコク・ソウル)を控える。最後は会場を見渡して、「愛してるよ!」と言い残して背中越しにピースサインを掲げてステージを去った。
「世の中に近道はない。全ては積み上げてきたものだけに真の答えが存在する」
中島健人
それを誰よりも知っているからこそ、IDOL1ST 中島健人に妥協という文字はない。
取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧