タイヤ交換の見積もりを見て、思わず二度見した経験はありませんか。4本まとめると、工賃を含めて10万円を超えることもある高価な買い物です。
それなのに量販店やECサイトを覗くと、同じサイズでも価格はピンからキリまで。安いのと高いので何が違うのか、正直よくわからないまま選んでいる人も多いのではないでしょうか。
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ちなみに、JAFのロードサービス救援データによると、2025年度に高速道路で救援を求められた四輪車の理由の1位は「タイヤのパンク・バースト・エアー圧不足」で26,985件。全体の4割超にあたり、燃料切れ(5,285件)やや事故(4,777件)よりずっと多いのです。エンジンでもバッテリーでもなく、タイヤ。高速で止まってしまう原因は、足元にあるということになります。

今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ人気コラムから、元ディーラー勤務経験者による「タイヤの値段で何が変わるのか」という解説。そして、タイヤ代を節約したお客様の愛車が大破してしまったという、なかなか他人事にできない話です。

記事の後半では、値段以外にタイヤを選ぶ手がかりについてもご紹介します。

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クルマを維持するうえで大切な存在となるタイヤ。車種にもよりますが、いざ交換するとなると、数万円から10万円以上の出費になることもザラです。量販店やECサイトを見ていると安いタイヤから高いタイヤまで様々ありますが、これらに大きな違いはあるのでしょうか。
今回は、ディーラー勤務経験のある筆者が、タイヤの値段による違いをわかりやすくお伝えし、ディーラー時代に実際にあった、安いタイヤを履いたことによる悲惨な末路を紹介します。

タイヤの値段で何が変わる?

元ディーラー営業マンが「安いタイヤと高いタイヤの違い」を暴露。タイヤ代を“ケチった”スポーツカーは悲惨な末路/高速道路で一番多いトラブルは何なのか調べてみた
※画像は生成AIによるイメージです
同じクルマに合うサイズでも、ピンからキリまで値段が異なるタイヤ。筆者が乗っている日産セレナでも、1本1万円もしないものから3万円以上するタイヤまで幅広いラインナップがあります。

国産メーカーに限った話をすると、安いタイヤでも十分な性能を発揮します。ただ、値段が高くなればなるほど、燃費性能が向上したり、走行中のロードノイズ(雑音)が軽減されたり、乗り心地が良くなったりと、付加価値がつくようになります。新車で装着されているタイヤは松竹梅でランクづけすると、だいたい竹と梅の間で、可もなく不可もない性能といえます。新車装着よりも高い性能のタイヤを装着すると、クルマに興味のない人が乗ってもわかるくらいに乗り心地が変わるでしょう。

国産タイヤとアジアンタイヤ、どっちが良いの?

国産タイヤの最安グレードよりもさらに安く買えるのが、中国をはじめとしたアジア各国のメーカーが出しているタイヤです。正直なところ、“タイヤなんて付いていればなんでもいいよ”と思う人が買うタイヤです。

タイヤのグレードによっては乗り心地が大幅に悪くなる、摩耗速度が早いなどの弊害が生じることもあるでしょう。アジアンタイヤは、新品状態の半分までタイヤを使うと性能が大幅に低下するから交換した方がいいとも言われるほど、寿命が短いものもあるようです。

クルマを通勤などで日常的に使っている人、完全に磨耗する前にタイヤをこまめに交換する手間を惜しまない人ならアジアンタイヤはお勧めですが、ある程度こだわりがある人は国産メーカーのタイヤを購入しておくのが無難です。

タイヤ代をケチって全損事故!国産スポーツカーを襲った悲惨な結末

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最後に筆者がディーラーに勤めていた2010年代初頭に本当にあった話を紹介します。

国産スポーツカーの筆頭的な存在のスカイラインGT-Rに乗っていたお客様は、タイヤ代がもったいないとのことで、アジアンタイヤを愛車に装着していました。雨が降る休日、首都高速を走行していたところ、道路の継ぎ目でタイヤが滑りコントロール不能に陥り、壁に接触してクルマが大破しました。
アジアンタイヤが悪いというわけではありませんが、当時からこれらのタイヤは雨天時に性能が極端に低下すると言われているほど、滑りやすいタイヤでした。

もしこのお客様が国産のウェットグリップ性能が高いタイヤを履いていたら、このような事故は起こらなかったかもしれません。数万円のタイヤ代を節約したことで愛車がボロボロになってしまう可能性があるというのは、忘れてはならないことでしょう。

もちろんアジアンタイヤ全てが悪いということではありません。しかし、安いものを買うということは、それなりのリスクが伴うことをご理解いただきたいところです。近年のアジアンタイヤや海外メーカーのタイヤは性能が向上していると聞きます。ユーザーの口コミなどが容易に手に入る世の中ですから、しっかりと調べたうえでタイヤを買うことをおすすめします。

<文/宇野源一>

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■値札の隣の、アルファベットに注目

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タイヤが路面に接している面積は、1本あたりハガキ1枚ほど。かつてのテレビCMで繰り返し流れたフレーズで、覚えている方も多いのではないでしょうか。クルマの重さも、曲がる力も、止まる力も、そのわずかな面積が受け止めています。

宇野さんの解説にあったとおり、値段の違いは性能の違いでもあります。では、その性能はどこで確かめられるのか。
実はタイヤには、性能を等級で表示する制度があります。日本自動車タイヤ協会の「低燃費タイヤ等のラベリング制度」で、2010年1月から運用されているものです。

表示されるのは2種類。燃費に関わる「転がり抵抗性能」がAAAからCまでの5段階、雨の日のブレーキの効きに関わる「ウェットグリップ性能」がaからdまでの4段階。カタログやメーカーのサイトで確認できます。GT-Rのお客様が雨の首都高でスリップしたのは、まさに後者に関わる部分でした。

面白いのは、この制度に参画している15社の顔ぶれです。ブリヂストン、住友ゴム、横浜ゴム、TOYO TIREの国内4社に加えて、ミシュラン、グッドイヤー、コンチネンタル、ピレリ、ノキアンといった欧米の大手、さらにハンコック、クムホ、ナンカン、ネクセン、マキシスといったアジア各国のメーカーも名を連ねています。小売りのオートバックスセブンが入っているのも、ちょっと意外なところ。産地やブランド名ではなく、等級で比べられるというわけです。

ちなみに、これは法律ではなく業界の自主基準です。参画していないメーカーの製品には、そもそもラベルがありません。
等級が出ているかどうか自体が、ひとつの手がかりということになります。

値段が何を意味するのか。宇野さんの話を知ったうえでなら、この2文字もぐっと読みやすくなります。次の交換のときは、値札の数字だけでなく、このアルファベットも覗いてみてはいかがでしょうか。

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<再構成/日刊SPA!編集部>

【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801
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