住宅街における路上駐車は、しばしば深刻なトラブルの火種となる。公道での長時間の駐車は法律でも禁じられているが、思い込みが激しい当事者の場合、法律という明確なルールを盾にしても解決は一筋縄ではいかないようだ。

今回は、そんな公道トラブルに巻き込まれた佐田裕之さん(29歳)の体験談を紹介する。

「うちの前の道路なんだぞ!」迷惑な路上駐車を繰り返す70代男...の画像はこちら >>

2台目の車の“駐車場”が、まさかの公道

「僕が住んでいるアパートの道路を挟んだ正面に一軒家があるんですが、その家の住人が車を四六時中、路上駐車するようになったんです。

その家には駐車場があるんですが、2台目を購入したらしく、その車を家の前の道に駐車場代わりに停めるようになったんですよね」

その道は2台の車がすれ違うのがやっとの道路だった。佐田さんは車を持っていないため影響は無いはずだったが……。

「友人が『もう使わないから』と、大きめのPCモニターや周辺機器を譲ってもらうことになって、うちのアパートまで車で持ってきてくれることになったんです。

アパートの前の道路は駐車禁止では無かったので、向かいの家が路上駐車している車の前方に停めて、2人で協力してモニターを部屋に運び込んで設置作業をしていました。そうしたら、外からものすごい音でクラクションが鳴り響いたんです」

公道と私道の区別がつかない老人男性

玄関を出ると、正面の家の主人である70代後半くらいの男性から「お前か!」と叱責された。

「『早く車をどかせ!』と言われたんですが、正直、なんでこんなに怒っているんだろうと思いました。車を出すのに邪魔にならないようスペースは空けてありますし。

それで『邪魔だったでしょうか」と控えめに尋ねたんですが、『うちの駐車スペースの前に車を置くなと言ってるんだ!』と怒鳴りつけられました」

だが、そこは誰のものでもない公道だった。

「家の敷地の前だからといって、公道を占有する権利も長時間路上駐車していい権利もないですよね。それで『ここは公道ですが』と正論で返したんですが、老人は『うちの家の前の道路なんだぞ! うちに権利があるに決まってるだろ!』と、無茶苦茶な言い分を主張し始めたんです」

同アパートの別の住人とも案の定トラブル勃発

その後も、佐田さんは説明を続けたが……。

「家の前の道路は自由に使えると信じきっているようで、全く話が通じませんでした。友人もあきれ果ててしまって、『帰るわ』と言い出してしまい……。わざわざ届けに来てくれたのに、気分が悪い思いをさせてしまいました」

それからしばらく経った頃のこと。
佐田さんが在宅勤務をしていると、窓の外から怒鳴り声が聞こえてきた。

「窓を開けて外を見てみたら、例の老人が、うちと同じアパートの住人の男性と口論をしていました。

どうも男性はアパートの敷地内の駐車場に停めていた大型車を出そうとした際に、例の路上駐車された老人の家の車が邪魔になり、少し移動してもらえないかお願いしたそうでした。

そうしたら、例の無茶苦茶な理論でうちのスペースだと主張したことで、トラブルに発展したようで……」

警察に「俺が法だ」は通用しない!

佐田さんが見ていると、口論は段々とヒートアップしていった。

「住人の男性も引かなかったので、段々と怒鳴り合うような状態になりました。男性は、怒って警察に通報して……。まもなくパトカーが到着しましたが、老人は警察官にも例の無茶苦茶な理論で自分の正当性を主張していました」

無論、法律と相反する主張が警察官に通じるはずが無かった。

「老人は、公道を私物化して駐車場代わりにする行為や、通行の妨害をしていることについて厳しく咎められていました。

それでも最初のうちは意味のわからない言い訳を繰り返していましたが……。最後にはしおらしくなって、すごすごと車を移動させていました」

身勝手な行動で周囲に迷惑をかけ続けた老人の自業自得な結末に、佐川さんは胸をなでおろしたという。

<TEXT/和泉太郎>

【和泉太郎】
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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