昨今SNSでは新幹線内や電車内など公共交通機関での迷惑行為についての投稿が増えている。
 例えばこれまでSNS等で炎上したケースでは、新幹線の座席において、靴を履いたままの状態で前の座席の頭上付近に足を置く行為や、ガラガラの車内で、男性がわざわざ女性の隣に座って話しかける行為などが挙げられる。


 そこで今回、公共交通機関で衝撃の迷惑行為に遭遇したという、Z世代の20代女性2名に話を聞くことができた。

目の前に立ちはだかる男性の言動に恐怖

「じゃあさっさと乗れよ!」バスの割り込みを注意され逆ギレした...の画像はこちら >>
 3年前に都内の電車内で迷惑行為の被害に遭ったという池上さん(仮名・26歳・女性)。

 平日の夜7時ごろ、池上さんは仕事を終えて帰宅途中だったという。

「帰宅ラッシュの時間帯で、いつもは混雑していて立っていることが多いのですが、その日は運よく座席を確保できたので、ゆったり帰れる予定でした」

 池上さんが乗車してから3つ目の停車駅で、車内が混雑してきたという。

「乗降者の多い駅に停車した時、私の前に40代後半くらいの中年の男性が立ちました。仕事帰りのような雰囲気で、白いワイシャツに黒いズボンを履いた、少し小太りの中背の男性でした」

 しばらくしてから、この男性は不可解な行動に出たそうだ。

「いきなりブツブツと何か話し始めたんです。私はスマホに視線を落としていて顔を見ていなかったこともあり、最初は目の前の男性が電話しているのかもしれないと思いました。

 しかし、よく言動を聞くと『偉そうに』『バカにしてるな!』『◯uck you!』『クソだな』など、明らかに暴言を吐いていたんです」

 池上さんは恐怖を感じ、ただスマホの画面を見続けることしかできなかったと語る。

「ボソボソとつぶやくような声だったので周囲の人にはその男性の言動があまり聞こえていないような感じでしたが、目の前にいる私にははっきりと聞こえて……。私に対して言っているんじゃないかと、とにかく怖かったですね。車両を移動しようかと思ったんですが、その男性は私の目の前にピッタリ立っていて、身動きが取りづらい状況でした」

 さらに男は暴言に加えて、端の席に座っていた池上さんのすぐそばにある手すりを、拳で「ゴンッ」と一突きしたという。

降車後も追跡…執拗に浴びせられた暴言

「じゃあさっさと乗れよ!」バスの割り込みを注意され逆ギレした中年女性。車内で20代女性が味わった“恐怖の8分間”
画像はAIで生成したイメージです
 あまりの恐怖に耐えられなくなった池上さんは、次の停車駅で降車することを決意したそうだ。しかし電車を降りてからもその恐怖は終わらなかった……。


「目の前の男性をなんとか押しのけて、とりあえず電車を降りました。これで安心かと思いきや、なんと後ろを振り返ると、その暴言を吐いていた男性も同じ駅で降りてきたんです!降りてからも私に向かって『クソだな』などと言ってきたので、私は急いで走って逃げました」

 池上さんは男に後をつけられるんじゃないかと不安を覚え、急ぎ足で改札の外へ出て、タクシーで帰路についたという。

 男は何が不満で見知らぬ女性に暴言を吐いたのか……。とにかくこの男の不可解な行動は、周囲に恐怖を与え、不快にする迷惑行為であることに違いはない。

割り込み注意に逆上した「小金持ちマダム」

「じゃあさっさと乗れよ!」バスの割り込みを注意され逆ギレした中年女性。車内で20代女性が味わった“恐怖の8分間”
画像はAIで生成したイメージです
 約1年前、都営バスの乗車中に迷惑行為の被害に遭ったというハナさん(仮名・28歳・女性)も、自身の体験について話してくれた。

 土曜日の夕方ごろ、ハナさんは買い物を終え、都営バスで帰宅しようと、バスの乗車列に並んでいたという。

「私の自宅方面のバスが到着したので、順番に沿って乗ろうとしました。すると後ろから早歩きで一人の女性が列を追い抜かして、そのバスに乗ろうとしていたんです」

 ハナさんは「並んでいますよ!」と思わず声をかけ、女性を引き留めたそう。

「女は私の言葉にイラついたのか、『じゃあさっさと乗れよ!』と、いきなりキレてきたんです」

 この女性は40代後半ほどで、ハイブランドのロゴが入ったキャップを被り、スキニーパンツ、スニーカーを履いていたという。ハナさんはその風貌について「小金持ちのマダム」と表現する。

バス車内で足を蹴られ続けた「恐怖の8分間」

「じゃあさっさと乗れよ!」バスの割り込みを注意され逆ギレした中年女性。車内で20代女性が味わった“恐怖の8分間”
画像はAIで生成したイメージです
 そしてこの女は、乗車後、ハナさんに思わぬ行動を取ったという。

「私はバスの中ほどに立ってつり革につかまっていたんですが、さっきキレてきた女性が私の真隣に立ちました。少し気まずかったですが、その女のことはあまり気にしないようにしていたんです。
ですがバスが動き始めてすぐ、女が横からいきなり私の足首あたりを思いっきり蹴ってきたんです……!」

 ハナさんはあまりに突然の出来事で、呆気に取られてしまったそう。しかも女は、その後も2分に1回ほどのペースで何発もハナさんを力強く蹴ってきたという。

「何度も蹴られて痛かったので、女に『蹴らないでもらえますか?』と目を合わせて、冷静に言いました。でも女は謝りもせず、顔を背けて私の言葉を無視。本当にイラつきました」

 その後も女の蹴りが止むことはなく、ハナさんは自宅の最寄りの停留所に着くまでの約8分間、女の蹴りに耐え続けたそう。

「周りの乗客は見て見ぬふりみたいな感じで助けてくれなかったですね。私も負けず嫌いなので、蹴られたら舌打ちをしたり、女を睨んだりしたのですが、効果はなかったです。私が降りる駅まで乗車時間は数分程度だったので、悔しかったですが、なんとかその場は我慢してやり過ごすことにしたんです」

 そして最寄り駅に到着し、ハナさんが降りようと出口のドアに向おうとした途端、女は最後にハナさんのスネを思いっきり蹴ってきたという。

「すごく痛かったですし、最後に女に文句を言ってやろうかと思いましたが、すでに私は疲れ果てて怒る気力もなく、無視してバスを降りました。帰って蹴られた箇所を確認したら、赤く腫れ上がっていましたよ」

 ハナさんは今でもこの出来事を思い出すそうで、「本当に許せない。その場で引きずり降ろして警察を呼ぶか、バスの運転手さんに相談すればよかったのかも」と言い、悔しさを滲ませる。

======

 公共交通機関では予測できないような迷惑行為に遭遇する可能性がある。
迷惑行為の被害に遭った場合は、できれば第三者に頼るなどして“泣き寝入り”しないよう、自分の身を守ることが大切ではないだろうか。

(取材・文=瑠璃光丸凪/A4studio)

【瑠璃光丸凪】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。興味のあるジャンルは、アングラ・音楽・ファッションなどサブカルチャー全般と、ジェンダー問題、政治経済問題について。趣味はレコード集め。
編集部おすすめ