俳優の上野一稀(26)が、ショートドラマアプリ「Vigloo(ビグルー)」で配信中の縦型ドラマ「アニマル・リベンジ 失われた絆」で初主演を飾った。「動物」をテーマにした作品で、動物と会話できる探偵を演じた。

このほど、スポーツ報知の取材に応じ、初主演の心境や今後の夢などを語った。(加茂 伸太郎)

 念願だったドラマ初主演。上野は「主演を経験したことがなかったので、純粋にうれしかったです」と喜びをかみ締めた。

 飼っていたペットの死をきっかけに、動物と話すことのできる能力を手にした探偵(上野)が、動物たちと協力して事件を解決するストーリー。実家で犬(ミニチュアダックスフンド)を飼っていたため、動物は身近な存在だった。撮影現場でも生きた。

 「家族の一員として(動物が)日常に存在していたので演じやすかったです。目の前に動物がいることを想像しながら演じるシーンもあったので、熱量を高くしゃべったり、感情を作ったりするシーンは苦戦しましたね」

 初主演の発表後、友人や知人からはSNSに数百件近い連絡が届いた。「応援してくれる人が、こんなにたくさんいるんだなって。うれしかったですね。地元の友達が『俺、見るわ!』って久々に連絡くれたり、反響の大きさを感じました」

 主演のプレッシャー、緊張もあったが「現場に行ったら目の前のことに手中して全力でやるだけ」と覚悟を決めた。「まっさらな気持ちで現場に立てました。

共演者、スタッフの皆さんのおかげで、作品を作りきることができました」と感謝した。

 クランクイン前、ぎっくり腰になるアクシデントに見舞われていた。「恥ずかしながら…くしゃみをした時に立ち上がれなくなって…。マネジャーに抱えてもらいながら病院に行きました。元々スポーツをやっていたし、(趣味で)ボクシングをやったり、ジムに行ったりしていたので、まさかでした。撮影前に治ったんですが、『またやるんじゃないかな』と、ビクビクとしていました(笑)」

 上野は小学1年から高校3年までサッカーに熱中した(主にサイドバック)。高校時代は強豪校に特待生で進学し、プロを目指したが、歩けなくなるほどの大けがを負い、断念した。

 漠然とした夢の一つだった芸能界。池松壮亮主演の映画「宮本から君へ」(2019年、真利子哲也監督)を見て衝撃を受けた。自分も何かを伝えられる人間になりたい―。演技未経験だったが、「腹をくくって、覚悟を決めて」役者の道を突き進むと決めた。

 8日に誕生日を迎え、20代の折り返し地点に入った。

「第三者から見た(客観的な)評価が全て。まずは知名度を上げることを考えてやっていきたい」ときっぱり。「そのために、やれることは何でもチャレンジしたい。将来的には(監督やスタッフから)求められる俳優を目指したいです」

 役者としてのキャリアは始まったばかり。今はただひたすらに、一つ一つの作品と向き合っていく。

 ◆上野 一稀(うえの・いつき)1999年5月8日、茨城県出身。26歳。特技はサッカー(競技歴12年)、ビートボックス。趣味はファッション(保有数500着以上)、ラテアート、ソロキャンプ、カメラ。好きな俳優は池松壮亮。173センチ。55キロ。

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