歌舞伎俳優の片岡仁左衛門が13日、大阪市内で「七月大歌舞伎」(7月5~24日、大阪松竹座)の取材会に出席した。

 今公演の夜の部「熊谷陣屋(くまがいじんや)」で、熊谷次郎直実を中村錦之助とダブルキャストで演じる。

仁左衛門自身も今回で13回目の役となり「忠義。自分のせがれを手にかける、その時のせがれの笑顔、こういうものも頭の中にありますし、とにかく複雑ですよね。自分は武士として立派な武士でいなければいけないし」と、演じる時の心持ちを語った。また一番つらいのは藤の方に責められている時とし、「黙っている時が一番つらい。本当のことを言いたいけれど言えない。お芝居していてもしんどいですよ」と明かした。

 今公演は「尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名披露 尾上丑之助改め六代目尾上菊之助襲名披露」ともなっている。仁左衛門は八代目菊五郎を襲名する菊之助について「これからの歌舞伎を背負って立つものを持っている。非常に楽しみです」と期待。一方で、菊五郎が2人になることについては「ややこしくてね。菊五郎という名前が呼ばれなくなるのでは。七代目、八代目ってね」と笑った。

 夏の大阪の風物詩である「七月大歌舞伎」。暑い夏興行を乗り切る方法については「自然と過ごしているだけ。たいしたことはやってない」とにっこり。自身の現在の体調については「元気ですよ。階段がちょっとしんどくなったくらい」とした。

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