日本サッカー協会は14日、FIFAランク15位の日本代表が9月に米国遠征を行い、6日に同17位のメキシコ戦(カリフォルニア州オークランド)、9日に同16位の米国戦(オハイオ州コロンバス、ともに現地時間)の親善試合を実施すると発表した。来年6~7月に米国、メキシコ、カナダの3か国で開催されるW杯北中米大会で初の優勝が目標の森保一監督(56)率いる日本は、米国大陸を西から東へ横断する3300キロ以上の大移動に加え、16強入り常連の開催国2チームとの対戦でシミュレーションを行う。

 森保ジャパンが広大な米国大陸を使ってW杯の予行を行う。3月に26年W杯出場権を確保し、本大会を見据えた初の強化試合の相手がメキシコと米国に決まった。都内で取材に応じた森保監督は「試合会場の移動もあり、W杯を考えた時にコンディションを保つことは大きなポイント。ここで一度経験することで、本大会により良いイメージが出る」と狙いを明かした。

 メキシコ戦(6日)が行われるオークランドと、米国戦(9日)のコロンバスの距離は直線で3374キロ。移動し、中2日で試合に臨む。日本代表は14年のブラジル大会で長い移動に苦しめられ、1次リーグ敗退。前回のカタール大会は拠点の移動がなかった。3か国にまたがって行われ、米国内でも時差が3時間ある今大会は移動もカギ。同監督は「雰囲気になじんで、本大会で初めて(味わうの)ではなく、過去に経験したことがあるという自信を持って臨めるようにしたい」と見据えた。

 2か国との対戦も絶好のシミュレーションになる。日本が過去4度打ち破れなかったのがW杯8強入りの壁。

94年大会以降の8大会のうち、メキシコは7度、米国も5度16強に進んでおり、相手として不足はない。「W杯優勝」を目標に掲げる本大会を占う重要な2試合となる。

 また、本大会のベースキャンプ地(練習拠点)選びの視察に関しても、指揮官は「(年末の)組み合わせ抽選後でないと決められないが、イメージを持つことができる。どこを拠点にするかというところは、一つ考えられるようになるかな」と考えを示した。約1年後の世界一に向けた戦いへ、着々と準備を進める。(岩原 正幸)

 ◆メキシコ FIFAランク17位。W杯最高成績は8強(1970、86年大会)。監督は14年に日本代表監督に就任し、過去の八百長疑惑から15年途中に契約解除となったアギーレ氏(66)。主な選手にFWヒメネス(ACミラン)ら。国内組が中心。3月の活動では親善試合でカナダ、パナマに連勝。

 ◆米国 FIFAランク16位。

W杯最高成績は3位(1930年大会)。監督は過去にトットナム、チェルシー(ともにイングランド)などを率いたポチェッティーノ氏(53)。主な選手にMFマッケニー(ユベントス)、FWプリシッチ(ACミラン)ら。3月の活動では親善試合でパナマ、カナダに連敗。

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