フランスで開催中の第78回カンヌ国際映画祭で16日、「監督週間」に出品された「見はらし世代」(団塚唯我監督、25年秋公開)が公式上映された。日本人監督史上最年少で監督週間への作品出品となった団塚監督と初主演を務めた黒崎煌代が出席した。

 本作は、若手映画作家育成事業ndjcにて短編「遠くへいきたいわ」を監督した団塚氏のオリジナル脚本による長編デビュー作。再開発が進む東京・渋⾕を舞台に、母親の死と残された父親と息子の関係性を描いている。

 公式上映では、団塚がフランス語で、「こんにちは、『見はらし世代』の監督の団塚唯我です。フランス語のタイトルは『Des Fleurs Pour Tokyo』です」とあいさつすると、大きな拍手が送られた。

 黒崎もまずはフランス語でごあいさつ。続けて「まだこの映画を見ていないんです。だから、すごくドキドキしています。皆さんと一緒に、今日は楽しんで見たいと思います」と、自身もワールドプレミアで初鑑賞であることを明かした。

 会場満席の800人以上の観客が集まり、上映後は、約7分間のスタンディングオベーション。ワールドプレミアを終えた団塚監督は、「初めての長編映画で、このカンヌの地で上映できるというのが本当に夢のような感動がありました。この監督週間という部門で、実際の観客の方にも温かく迎え入れていただけたので、ほっとした気持ちというのが今の率直な感想です」と胸の内を明かした。

 黒崎も、ワールドプレミアについて、「本当に感動しました。

これから初めて見る観客の皆さんの真ん中で、一緒に完成した映画を初めて見ました。すごくドキドキしていたのですが、たまに笑いが起きたりもして、笑い声が起きる度に安心して監督の膝をついたりしました(笑)」と喜びをにじませた。

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