日本相撲協会は2日、大相撲の元横綱・白鵬の宮城野親方が6月9日付で退職することを明らかにした。この日、臨時理事会で同親方から退職届が出されたことを受け、旧宮城野部屋の弟子らの処遇について審議。

退職届を受理し、弟子らは当面は昨年4月から転籍している伊勢ケ浜部屋で継続して預かることを全会一致で可決した。

 宮城野親方は現役時代に史上最多の優勝45度など数々の大記録を樹立し、2021年秋場所後に引退した。22年7月に宮城野部屋を継承したが、昨年2月に弟子の元幕内・北青鵬の暴力問題の監督責任を問われ、委員から年寄への2階級降格処分などを受けた。師匠を務めた宮城野部屋は当面閉鎖となり、昨年4月から力士、裏方など全員が同じ伊勢ケ浜一門の預かりとして伊勢ケ浜部屋に転籍。宮城野親方も師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)の下で、部屋付き親方として指導にあたっていた。

 相撲協会によると、この日の理事会では一門の浅香山理事、宮城野部屋を預かる伊勢ケ浜親方、両親方から毎場所後に状況報告を受けていた春日野理事から、それぞれ報告があったという。

 浅香山親方は「『八角理事長より今後は浅香山部屋で預かること、準備期間も踏まえ、預かりの解除を11月場所後とすることを検討するように』と指示があり、その方向で宮城野に説明し、幾度となく思い留まらせるよう話をしたが、宮城野は退職の意向を示した」と報告。伊勢ケ浜親方も「何度も宮城野を説得し、近いうちに部屋は再開されるのだから、もう少し辛抱してはどうか、と慰留を試みたが、本人の意思が固かった」「慰留できず、申し訳ない」との話があったという。

 春日野理事は執行部として昨年4月に転籍となって以降、場所ごとに浅香山理事、伊勢ケ浜理事から状況の報告を受けていた経緯を説明。その上で「伊勢ケ浜親方からは『退職の意向もあってか宮城野は弟子の指導に身が入っていないようだ』とも聞いていたので、早期の再開の話は出せなかった」と報告がされた。

 これらの報告を受け、理事会では宮城野親方の退職願の受理と弟子の今後について決定。今後、宮城野部屋力士らの指導育成を望む年寄が協会に申し出た場合は、理事会で審議するとした。

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