日本相撲協会は2日、大相撲の元横綱・白鵬の宮城野親方が6月9日付で退職することを明らかにした。この日、臨時理事会で同親方から退職届が出されたことを受け、旧宮城野部屋の弟子らの処遇について審議。
宮城野親方は現役時代に史上最多の優勝45度など数々の大記録を樹立し、2021年秋場所後に引退した。22年7月に宮城野部屋を継承したが、昨年2月に弟子の元幕内・北青鵬の暴力問題の監督責任を問われ、委員から年寄への2階級降格処分などを受けた。師匠を務めた宮城野部屋は当面閉鎖となり、昨年4月から力士、裏方など全員が同じ伊勢ケ浜一門の預かりとして伊勢ケ浜部屋に転籍。宮城野親方も師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)の下で、部屋付き親方として指導にあたっていた。
宮城野親方は文書でコメントを発表した。
▼発表全文は以下の通り。
【ご報告】
日本相撲協会退職のご挨拶と今後の活動について私、白鵬翔は、日本相撲協会に辞表を提出し、本日開催された臨時理事会において6月9日付で受理されることが決まったとお聞きしました。
これまで相撲道一筋に歩んでまいりました力士としての人生は、多くの皆様の温かいご支援とご指導があってこそ成し得たものであり、心より深く感謝申し上げます。また、現役引退後は、微力ながら弟子の育成をはじめ、相撲界の未来を見据えた取り組みにも尽力してまいりました。
今後は、日本の誇る「相撲」という文化をより広く、次の世代へと伝えていくために、日本相撲協会の外の立場から、その発展に貢献していく決意を固めました。
国内外を問わず、相撲の価値と魅力を新たなかたちで伝え、相撲の未来を世界中の人々とともに築いていく活動に力を注いでまいります。
これまで支えてくださったすべての皆様に、改めて心より御礼申し上げますとともに、今後とも変わらぬご厚情とご指導を賜りますようお願い申し上げます。
なお、現在私は、モンゴルに滞在しており、同国にてモンゴル相撲の大横綱であった亡父、ジグジドゥ・ムンフバトの記念銅像除幕式に参列する予定です。父は、モンゴルで初めてオリンピック銀メダルおよびレスリング世界大会銅メダルを獲得し、労働英雄賞(日本の国民栄誉賞に相当)を受章した人物です。
私自身の真意をご説明するとともに、今後の活動につきまして、改めて下記の通り記者会見の場を設け、正式にご報告させていただきます。
敬具
白鵬翔