◆プロボクシング バンタム級10回戦 那須川天心―ビクトル・サンティリャン(6月8日、東京・有明コロシアム)
WBC世界バンタム級1位、WBA&WBO2位、IBF4位の那須川天心(26)=帝拳=と対戦するWBA6位ビクトル・サンティリャン(29)=ドミニカ=が3日、東京・新宿区の帝拳ジムで練習を公開。天心を「バンタム級では最高のボクサー」と評価した上で、天心のフットワークとスピードに対し「私の体の大きさを生かして距離をとって対応できる。
公開練習では、軽めのシャドーボクシングを1ラウンドだけ披露。サウスポー同士の対決になるが、「プロで対戦した選手の半分以上がサウスポーだったので、全く問題ない」。23年6月にWBA世界バンタム級挑戦者決定戦で石田匠(井岡)に1―2判定で敗れて以来、2度目の来日で「前回来日した時の試合は負けてはいなかった。今回は疑問の余地を残さずに勝ちたい」と完勝を誓った。
アマチュアで225戦200勝25敗の戦績を誇り、2015年のパンアメリカン大会で銅メダルも獲得したという。愛称の「chico malo(チコ マロ=スペイン語で悪童の意味)」の由来を問われると、「ナショナル選抜の選手だった時に、悪さをして…」と照れくさそうに明かした。
練習を視察した元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナー(41)は、サンティリャンの対戦相手の半数以上がサウスポーとの発言に「そんないるんですか?」と驚きながらも「サウスポーを苦にしていないんでしょうけど、天心が今まで戦ったサウスポーと同じだと思って戦ったら、アレ? と思うだろう」と指摘。
前日、天心と3ラウンドのマスボクシング(軽めのスパーリング)を行った粟生トレーナーは「3年前に向き合ってやった時と全然違うやりづらさがあった。いい選手になったな、と思った。スピードもあるし、あれを捕まえるのは大変だと思う」と天心の成長を証言した。
戦績は、天心が6戦全勝(2KO)、サンティリャンが15戦14勝(5KO)1敗。
試合はPRIME VIDEOで独占ライブ配信される。