バレーボール女子元日本代表監督の中田久美氏が4日、国内最高峰リーグ、大同生命SVリーグ女子のSAGA久光の拠点、佐賀・鳥栖市のサロンパスアリーナで監督就任会見に臨んだ。「よろしくお願いします。

お手柔らかに」と笑顔を見せ、「人生の中で大きな転機となったチーム。ご縁を感じながら、感謝をしています」と心境を明かした。

 中田氏がチームの指揮を執るのは10季ぶり。21~22年季に前身Vリーグと全日本選手権で2冠を果たして以来、タイトルが獲得できておらず、チーム再建が託される。「またこういうことを言うと、たたかれるかもしれないけど、私は、リーグ優勝は通過点だと思っている。あくまでも世界で戦える選手を一人でも輩出できるか。佐賀、九州の方が誇れるチームをつくりたい」と目標を掲げた。

 新チームづくりの軸については「セッターを中心としたコンビバレーを展開していきたい。そのためにレセプション・アタック(サーブレシーブしてからの攻撃)の精度を強化する必要がある」と課題も挙げた。

 21年東京五輪で女子日本代表監督を務めた。同代表で主力のセッター・籾井あきが、ギリシャのチームから移籍加入。現役時代にセッターで活躍した中田新監督は「籾井と話もしたけど、『久美さんの上を行きます』とやる気満々だった。

頼もしい」と期待。「SVリーグは試合数が増えているので、固定のメンバーで戦うのは難しい。誰が入っても戦力が落ちない強化をしていきたい」と見据えた。

 ◆中田 久美(なかだ・くみ)1965年9月3日、東京都出身。59歳。「天才セッター」と呼ばれ、15歳で全日本初選出。81年、日立入社。84年ロサンゼルス五輪銅メダル、88年ソウル五輪4位、92年バルセロナ五輪5位。現役引退後は、イタリア・セリエAのコーチなどを経て、2012年に久光製薬(現・SAGA久光)監督に就任。4年間でVプレミアリーグ3度優勝。16年に久光製薬総監督に就任し、翌年に退任。16年から女子日本代表監督を務め、21年東京五輪に出場。

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