◆安田記念追い切り(6月4日・栗東トレセン)

 春のマイル王決定戦、第75回安田記念・G1(8日、東京)の追い切りが4日、東西トレセンで行われた。昨秋のマイルCS覇者ソウルラッシュは、栗東・坂路で抜群の反応を見せ、上々の仕上がりを誇示。

海外G1初制覇だったドバイ遠征帰りで、動き1位のG評価を得た。

 ド迫力の伸び脚で駆け抜けた。ソウルラッシュは栗東・坂路を単走。序盤からキビキビしたフットワークで入り、ラスト1ハロンで鞍上が合図。待ってましたと言わんばかりに即座にギアを上げた。流れるような脚の運びでこの馬らしい切れ味を披露し、52秒3―11秒8と上々の時計をマーク。池江調教師は「先週で結構仕上がったので、坂路単走で十分。動きは良かったし、これまでのレースと同じくらいの状態に持ってこられている」と納得の表情を浮かべた。

 2週前、1週前追い切りは約3年ぶりのコンビとなる浜中が騎乗。2週連続でCWコースでラスト1ハロン10秒5の猛時計をたたき出した。余裕があった体は追うごとに絞れ、トレーナーは「タイムは同じでも反応の良さ、弾け方が違う」と走りの質のアップを実感。最終追いでしっかりと整え、帰国初戦へ態勢は万全だ。

 前走のドバイ・ターフで香港最強馬ロマンチックウォリアーを撃破し、海外G1初制覇。池江師にとってもうれしい初の海外タイトル獲得となった。「感無量という感じですね。長い間、海外のG1に挑戦してきたけど、高い壁にはね返されてなかなか勝てなかった。ソウルラッシュには感謝しかないですね」としみじみと振り返った。

 安田記念は22年から4年連続の参戦。〈13〉〈9〉〈3〉着と毎年着順を上げており、3度目の挑戦で悲願のG1初Vを達成した昨年11月のマイルCSと重なる。「なんとか種牡馬として箔(はく)をつけるためにも、東京のマイルは勝たせたい。悔いのない仕上げをします」と、17年にサトノアラジンで制している指揮官は力を込める。大舞台を経験するごとに殻を破ってきた7歳馬が、春のマイル王の称号をつかむ。(山本 理貴)

 浜中騎手に聞く

 ―ソウルラッシュと3年ぶりのコンビ復活。

 「久々に騎乗することができて、すごくうれしいです。

依頼していただいて、感謝しています」

 ―2週前、1週前追い切りの感触は。

 「(2週前は)以前乗った時よりもトモ(後肢)の力強さが出て、走りのバランスも良くなったなと感じました。もともと調教も動く馬だと思うけど、特に1週前は数字以上に迫力があり、本当に素晴らしい動きでした。2週前よりも感触はさらに良かったです」

 ―意気込みを。

 「馬も一番充実している時期だと思うし、そういう馬の依頼を今回いただけたということは、本当に騎手としてうれしいこと。結果で応えないといけないなと思います。プレッシャーというか、責任もありますが、とにかく楽しみにしています」

編集部おすすめ