◆安田記念追い切り(6月4日・栗東トレセン)
春のマイル王決定戦、第75回安田記念・G1(8日、東京)の追い切りが4日、東西トレセンで行われた。「考察」担当の山下優記者は、栗東・坂路で追われたジャンタルマンタルに反撃気配を感じ取った。
本番にきっちりと間に合わせてきた。昨年の香港マイル13着からの巻き返しを狙うジャンタルマンタルは、栗東・坂路で2本目に53秒6―11秒7を計測した。乗り手が仕掛けると、重心が沈んで一気に伸び、抜群の反応を示した。高野調教師は「先週の追い切りが良かったのか、動きがまた一段と良くなりました」と好感触に笑顔だった。
先月28日の1週前追い切りは、川田が乗って坂路で50秒1―12秒2と好時計を出した。ただ、休み明けのぶん、動きにやや重たさを感じたことも事実だ。先週の動きを見た時点から、最終追いでどこまで動けるかがポイントになるとみていたが、この動きなら問題ない。
前哨戦を使わず、半年ぶりの一戦となったが、「しっかり立て直して、万全で行けるという判断で、初期の段階で決めていた」。時計にならないところも入念に乗り込む高野厩舎だけに、態勢は整っている。
「負けた後の戦いなので、馬のためにも凡走はできない。勝つことが至上命令と、プレッシャーをかけてやっています」と、指揮官からは強い意志を感じた。マイルG1を2勝の実力馬。