◆テニス ▽全仏オープン(4日、フランス・パリ)
【パリ4日=吉松忠弘】4大大会初出場、大会推薦出場で世界ランキング361位のロイス・ボワソン(フランス)が、4回戦に続きトップ10からの大金星で4強入りだ。同6位、ロシア出身のミラ・アンドレエワに7-6、6-3でストレート勝ち。
最初のマッチポイントで、相手のロブがサイドラインを割ると、ボワソンは、その場に崩れ落ちた。赤土を背中に、両手で顔を覆った。「勝てたなんて本当に信じられない。準決勝に進めるなんて本当にハッピーだ」。
こつこつとラリーを続け、得意のフォアハンドを軸に、山なりや、カウンターのショットでポイントを積み上げた。それをセンターコートを埋めた地元ファンが後押しし、18歳の相手の集中力を引き裂いた。「特別なことはしていない。きちんと準備して、自分のテニスをしただけ」。
歴史的な記録が山積みだ。全仏の女子シングルスで、大会推薦出場選手としては、史上初めての4強入りとなる。また、世界361位は過去40年で、4大大会の女子シングルスでベスト4に進出した選手で、最も低い世界ランキングだ。
喜びに浸っている暇などない。これは「奇跡なんかじゃない。ハードワークのたまもの。それだけ」。そして「準決勝に進むのが夢の目標ではない。夢は優勝すること」。残り2勝で、夢が現実となる。