◆第75回安田記念・G1(6月8日、東京競馬場・芝1600メートル)

 第75回安田記念・G1(8日、東京)の出走馬が5日、確定した。「聞き馬した」は今年初めて短期免許を取得し、3度目のJRA・G1騎乗となるマイケル・ディー騎手(29)=ニュージーランド、豪州拠点=を直撃した。

枠順は6日に決まる。

 今年のG1はここまで10戦して外国人ジョッキーが7勝。“黒船旋風”とでも言いたくなるような状況のなか、初来日のディーも確実に存在感を発揮している。NHKマイルCでは12番人気のチェルビアットで3着、オークスでも14番人気のケリフレッドアスクで8着と、大舞台で人気以上の着順を確保。「日本に合っていると言うよりも馬質がいいのが大きい」と謙遜する姿は実に好印象で、伏兵レッドモンレーヴと挑む安田記念でも激走の期待は大きい。

 充実の要因には先輩ジョッキーの助言もあるようだ。「クレイグ・ウィリアムズにいろいろ聞けたのは大きかった。競馬の日の流れだったり、ルールの違いとか。とにかく直線でまっすぐ走らせることが大事だと教わったよ」。10年天皇賞・春のジャガーメイルなどJRAでもG1・3勝を挙げる豪州の名手に感謝する。

 過去2戦のG1はテン乗りだったが、今回は京王杯スプリングC(4着)からの継続騎乗。馬の癖を知っているのはアドバンテージではないか、と尋ねると「そこまで大きなことではない。

テン乗りでも映像で把握し、パドックでまたがって馬の雰囲気を感じてあげられるからね」とキッパリ。拠点とする豪州で競い合うレーンも同じことを語っていた。短期間で結果を残すには欠かせない感性に自信があるということだろう。

 「すばらしい最後の脚を持っている。前を射程圏内に入れられればチャンスはある。そのためにも何としても内枠が欲しいね」とディー。イメージ通りの競馬ができれば、大仕事をやってのけても不思議はない。(角田 晨)

 ◆マイケル・ディー(Michael Dee)1996年4月13日、ニュージーランド生まれ。29歳。2012年にニュージーランドの見習騎手免許を取得。16年にオーストラリアの騎手免許を取得し、22年コーフィールドCなどビッグレースを制する。今年初めてJRAの短期免許を取得(4月26日~6月25日)した。

JRA通算92戦4勝(5日現在)。好きな日本の食べ物はコロッケ。「食べ過ぎたから最近は我慢しているよ」。173センチ、52キロ。

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