◆車いすテニス ▽全仏オープン(5日、フランス・パリ)

 【パリ5日=吉松忠弘】女子の2024年パリ・パラリンピック2冠で、世界ランキング1位の上地結衣(三井住友銀行)が、順当にベスト4へ進出した。同10位のリジ・デフリーフ(オランダ)に6-3、6-2のストレート勝ち。

5年ぶりの優勝に残り2勝と迫った。

 強打で押してくる21歳の若手を、上地はしっかりと受け止め、押し返した。どんなにリターンを強打で狙われても、コースを打ち分け押さえ込んだ。まさに女王の貫禄で、安定したテニスで、相手の攻撃をかわした。

 今大会は欠場も考えた。昨年11月に行われたマスターズ大会で左手首を痛めた。腱鞘炎だった。次に、今年5月の国別対抗戦の時に、左てのひらに痛みが走った。一時は、物を持てないときもあったという。「医者の方も、ここ(全仏のコート)に立てているが不思議だと言っていた。驚異的な回復力だと」。

 それでも、思いで深い全仏と会場だ。

昨年の全仏は、思いがけず準々決勝敗退で「何もしていなかった」。だからこそ、今年はタイトルを奪還したい。「思い出深い場所で、もう1度、優勝したい」。しっかりと栄冠を見据えた。

編集部おすすめ