◆レスリング◇全道高校体育大会(5日・千歳北陽高)
男子団体戦が行われ、今春の全国高校選抜大会16強の帯広北が3校によるリーグ戦で2戦全勝し、4年連続9度目の優勝を飾った。今春のジュニア五輪U―17グレコローマン71キロ級優勝の坂本柊と一昨年の全国高校総体60キロ級3位の野口佳祐の3年生コンビがチームを引っ張った。
全国へ弾みを付ける圧勝劇を見せた。1試合7階級で争う団体戦で、帯広北の野口佳は4番手の65キロ級に出場。初戦の有朋苫小牧校戦で佐藤駿輔(3年)を寝技から連続ローリングを決めてテクニカルスペリオリティー勝ち。千歳北陽との2戦目も30秒足らずで制し、団体戦勝利を決めた。盤石の勝利に「1年生が期待通り勝ってくれたのがうれしかった。総体はベスト8に入るのが目標です」と全国を見据えた。
3年生は主将の坂本と2人だけ。4月のジュニア五輪U―17で優勝した坂本は世界ジュニア選手権(7月末、ギリシャ)に出場するため、全国総体を欠場する。唯一の最上級生となるが「自分がやられたら全体の士気に関わるし、不安にさせてしまう。まずは自分がやれることを果たす」とリーダーの自覚をのぞかせる。
浮き沈みを味わった。1年生の全国総体は個人戦の60キロ級でいきなり3位に入った。だが「結果を出して満足してしまった」(野口佳)と昨年の大会は3回戦敗退。その間に同じレスリング部で双子の妹・紗英(3年)が昨年の全国総体と世界ジュニア選手権で準Vと結果を出し続けた。
野口佳は昨秋の国民スポーツ大会で初戦敗退。五十嵐真人コーチ(47)は「妹と比べられるのは嫌だと思う。だが去年の秋から前向きな気持ちを取り戻してくれた」と、敗戦をきっかけに精神面が持ち直した。主将不在の全国総体にも「野口佳がいるのは大きい。支柱になることを期待します」と話した。
団体戦は昨年の全国総体、今年3月の全国選抜大会でともに16強。野口佳は「ラストイヤーなので気負わず、楽しんでやりたい」と自然体でチームを勝利に導く。(飯塚 康博)
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主将の坂本がカブトの緒を締めた。
世界ジュニア選手権出場のため同時期の全国総体を欠場することに「ラストだったのでみんなと一緒に出たかった」と本音を明かした。6日の個人戦に優勝しても全国総体出場は辞退する。それでも「インターハイに行けない分、この大会でみんなに自分の背中を見せられるよう、いい試合をしたい」と主将の責務を果たすつもりだ。