昨年のアルゼンチン共和国杯など重賞3勝を挙げて、個性的な白毛馬として多くのファンに愛されたハヤヤッコ(牡9歳、美浦・国枝栄厩舎、父キングカメハメハ)が、現役引退することが決まった。同馬を管理する国枝調教師が6月6日、明かした。

昨年の有馬記念では白毛馬として史上初めてグランプリに挑み、レースは15着に終わったが、多くの話題を集めた。

 同馬は先週の目黒記念のレース中に故障して、右前浅屈腱不全断裂の診断を受けていた。この日に美浦トレセン内のJRAの競走馬診療所で検査を受け、オーナーに報告した結果、引退という結論に至ったという。週明けの6月10日に美浦トレセンを退厩して、福島・ノーザンファーム天栄に移動する予定だ。

 今後について国枝調教師は「乗馬や誘導馬とか、人を乗せたりするのは厳しいみたいです。どんな道があるのかオーナーが考えられると思います」と説明した。9歳まで息の長い活躍をしたことについては、「すごく長きにわたって元気いっぱいに活躍してくれて、いろんな思い出があるし、キャラクターも強かったね。最後はああいう形になって残念でしたけど、キャリアを振り返ればビックリさせてくれることも多かった」とねぎらった。

 担当の田村助手は「一番はさみしいということですよね。いつもいるのが当たり前でしたから。表情豊かで愛嬌(あいきょう)があって、おっかないところもあったり。馬というよりも、個性的な人と接している感じがありました。

自己主張が強かったですけど、調教や競馬では頑張ってくれて、メンタルが強くタフな馬でした」と、しみじみと思い出を振り返った。

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