◆車いすテニス ▽全仏オープン(6日、フランス・パリ)

 【パリ6日=吉松忠弘】2024年パリ・パラリンピック2冠で、世界ランキング1位の上地結衣(三井住友銀行)が、2時間15分の熱戦を乗り越え、5年ぶり5度目の優勝に王手だ。今年4月のジャパンオープン決勝で敗れた同4位の李暁輝(中国)に6-2、6-7、6-4のフルセットで勝ち、決勝では同2位のアニク・ファンクート(オランダ)と対戦する。

 苦しかった。第1セットを奪い、第2セット3-5から3ゲームを連取して逆転したところまでは上地のペースだった。しかし、第1サーブが入らなくなり、相手の強打に第2サーブを狙われた。最終セットも2-4とリードを許すピンチに追い込まれた。

 それでも、第7、第9の両ゲームを、ともに5度のジュースの末にサービスキープ。勝ちを意識する相手もミスが出始め、じわじわと追い上げた。一気に4ゲームを連取し、最後は「カモーン!」の叫びで締めくくった。

 相手は強打で、急激に頭角を現してきた。一発で決まらなくとも、パワーで押し込み、ラケットをはじいた。ただ、車いすを操るチェアワークが苦手で、バランスが崩れるとミスが生まれる。その弱点を上地はうまく突いていたが、途中から防戦に必死だった。

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