◆レスリング◇全道高校体育大会(6日・千歳北陽高)

 個人戦男子8階級を行い、帯広北勢が6階級を制した。男子71キロ級では、札幌東豊・中西護(3年)が決勝に進出。

優勝した帯広北・坂本柊(3年)が世界ジュニア選手権(7月末、ギリシャ)に出場するため、2年ぶりのインターハイ切符をつかんだ。全国高校総体(7月27~30日、島根)には、男女ともに各階級優勝(男子71キロは準優勝)者が出場する。

 札幌東豊・中西が2年ぶりの全国高校総体出場を決めた。決勝では世界ジュニア選手権代表の帯広北・坂本に敗れたものの、切符を手にし「準優勝で出られるのも一つのチャンス。まずは1勝したい」と大舞台を見据えた。

 6人が出場した男子71キロ級。中西は1回戦から登場した。初戦では、恩師の大羅信夫教諭から「いつも言われていた」という基本の低いタックルで攻め、10点差をつけてテクニカルスペリオリティー勝ち。準決勝では、豪快な首投げで倒して抑え込み、開始30秒でフォール勝ちを収めた。

 全道高校で過去6度の学校対抗優勝を誇る名門も3月に3年生2人が卒業し、現部員は中西1人のみ。大羅教諭も今春異動となり、大半の練習を1人でこなしてきた。平日は学校のウェートルームで体を追い込み、週末はクラブチームの練習に参加。

孤独な時間を過ごし、「周りに支えられていたんだというのを一番に感じた。でも、一人だったからとか言い訳はできない。一人でも強くなれる」と、恵まれない環境の中でも全国を目指してレベルアップを図ってきた。

 現時点で1、2年生に入部希望者はおらず、中西が引退すれば休部になる見込み。自身も高校卒業後は父と同じ自衛官を目指すため、夏の大舞台が現役ラストマッチになる予定だ。「最後ならとことん盛り上げようかな。(2年前は)全然ダメで初戦で負けてしまった。最後なのでベスト8を目指したい」。香川県出身の17歳は札幌東豊の名を背負い、5歳から始めたレスリング人生最後の大会に臨む。(島山 知房)

  〇…女子62キロ級の帯広北・野口紗英(3年)は、不戦勝で島根行きを決めた。昨年は2年生ながら全国高校総体、U17世界選手権で2位。国内のみならず国際大会でも結果を残してきたものの、「がぶり返しが決まるようになってきた」と技にさらなる磨きをかけて高みを目指してきた。

全国高校総体は1年時に3位。1年ごとに順位を上げており、「最後のインターハイなので絶対優勝する」と力を込めた。

 〇…男子65キロ級の野口佳祐(3年)が危なげなく優勝した。フォール勝ちで初戦を制すと、2戦目もわずか39秒で10点差をつけて完勝した。全国高校総体は1年時に3位に入ったが、昨年は3回戦敗退。双子の妹・紗英や坂本といった同級生が全国舞台で実績を積む中で苦しむ時間が続いており、「同期3人の中で自分だけタイトルを取れていない。優勝して2人を飛び抜けられるように頑張りたい」と全国での雪辱を誓っていた。

 ◇個人戦成績(各階級優勝者)

 【男子】▽51キロ級 〈1〉岡部太施(帯広北)▽55キロ級 〈1〉田沢祥樹(帯広北)▽60キロ級 〈1〉京野心(帯広北)▽65キロ級 〈1〉野口佳祐(帯広北)▽71キロ級 〈1〉坂本柊(帯広北)▽80キロ級 〈1〉本山維芯(帯広北)=参加1人▽92キロ級 〈1〉若狭小太郎(千歳北陽)▽125キロ級 〈1〉上中屋敷航太(千歳北陽)

 【女子】▽50キロ級 〈1〉荒川笑舞(帯広北)▽53キロ級 〈1〉木村日菜乃(千歳北陽)▽62キロ級 〈1〉野口紗英(帯広北)▽68キロ級 三明日香(千歳北陽)=いずれも参加1人

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