◆ボクシング◇全道高校大会(6日・札幌市北区体育館)

 男女10階級の決勝が行われ、ウエルター級の南龍聖(札幌工3年)が中村将武(釧路北陽1年)に判定勝利で優勝し、3年連続での全国高校総体(7月27日開幕、岡山)出場を決めた。昨年の全国総体3位のフライ級の神田翔大(札幌龍谷3年)は青塚虎右太(札幌工3年)を1回RSCで下し、3年連続の全国切符。

バンタム級の桐越藍(札幌工3年)は安藤楓(旭川工3年)に判定勝ちした。

 貫禄があった。札幌工の南は荒っぽく向かってきた1年生の釧路北陽・中村に対し、距離を取ってカウンターを次々と浴びせた。乱戦にのまれることなく、技術の差を見せつけ、5―0の判定で完勝。3年連続で全国総体へ駒を進めた。

 3月の全国選抜大会のライトウエルター級(64キロ以下)からウエルター級(69キロ以下)に転級して臨んだ一戦に「重い階級は一発がある世界なのでビビっていたが、勝つことができて安心した」と明かした。

 手負いだった。全国選抜の直前、左拳に違和感を覚えたものの、大会に出場し、3位に入った。大会後に検査すると、左手中指部の腱(けん)が切れていることが判明し、すぐに手術した。

 術後1か月以上はパンチを打てず、「けがで大会に出られないかもしれないと落ち込んだ時期もあった」という。それでも「インターハイは人生最後なので」と決意。順調に回復し、今大会まで3週間を切ってからスパーリングを開始。

急ピッチで照準を合わせてきた。

 1年時に札幌で開催された全国総体は2回戦、昨年大会は3回戦で敗れた。3度目の大舞台へ南は「2位、3位はいらない。優勝しか見てない」と集大成の夏へ闘志を新たにした。

 ▽フライ級決勝 〇神田翔大(札幌龍谷)RSC1回1分50秒 ●青塚虎右太(札幌工) 神田が初回RSC勝ちで3年連続の全国出場を決めた。開始からジャブ、フック、アッパーと多彩なパンチで相手を寄せ付けず、2度ダウンを奪うなど110秒で決着をつけた。昨年の高校総体で3位、今春の全国選抜大会では8強と頂点まであと一歩。3年連続となる大舞台へ「いつも自分から下がると負ける。今回は気持ちで負けず、絶対に下がらない」と覚悟を示した。

  ▽バンタム級決勝 〇桐越藍(札幌工)判 定 ●安藤楓(旭川工)  桐越が接戦を制し、初優勝した。初回こそ打ち終わりにカウンターを浴びたものの、2回以降は右ストレートが入り始め、最後まで手を休めなかった。判定は3―2で勝ち名乗りを上げられると、絶叫した。

「内容は良くなかったけど、気持ちの勝負だった。うれしい」。今春の全国選抜は8強と手応えを得ており、「総体では優勝して北海道にメダルを持ち帰りたい」と力を込めた。

  ◇他階級の優勝者

 【男子】▽ピン級 岩沢侍永(旭川工)▽ライトフライ級 吉沢瞳真(札幌工)▽ライト級 沢口仁(札幌工)▽ライトウエルター級 荻原魁大(旭川工)▽ミドル級 黒沢心(札幌北斗)

 【女子】▽ライトフライ級 亀森茉莉(札幌工)▽バンタム級 東紫香(札幌工)

 

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