ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(クラレ)が7日、山形市のアリオンテック蔵王シャンツェ周辺で自身が発起人でもある環境プロジェクト「JUMP for The Earth」の一環として行った「トレッキング&クリーンアクション」に参加した。
イベントは3年連続で実施され、市内の小学生ら約100人が参加し、蔵王の自然に触れながらゴミ拾いを行った。
危機感が高梨を突き動かしている。近年、地球温暖化などによる雪不足などが叫ばれている。スノースポーツを次代に残し、つないでいくために2023年5月に同プロジェクトを立ち上げた。ゴミ拾い後に行われたトークショーでは、昨年シーズン開幕直前の11月に撮影したスロベニア・プラニツァのジャンプ台の写真を持参し、雪不足の現状などを伝えた。
蔵王は女子ジャンプ選手にとって聖地で、自身も12年にW杯で初優勝を飾った大事にしている場所だ。高梨は「この奇麗な自然を守りたい。雪がないとできない競技。気候変動っていうのを身にしみて感じている。年々、雪が少なくなっているので、降雪機で雪を作って、ジャンプ台に貼り付けてやっている試合が増えてきている。蔵王でも試合がキャンセルになったこともある。
もちろん、ジャンプの調子も上がってきている。昨季から足を前後に開いて着地するテレマークに重点を置いて調整してきているが、助走路の姿勢や飛び出し部分の動作に関しても「だいぶ良くなってきた」と手応えと自信をのぞかせた。6月中旬から渡欧し、その後、サマーグランプリなどに出場する。「自分が積み重ねてきたパフォーマンスを発揮できるようにしたいなとは思います」。いよいよ26年ミラノ・コルティナ五輪へ本格的に始動する。