◇全道高校体育大会◆重量挙げ(7日・士別市総合体育館)

 男女計14階級が行われ、男子73キロ級で、3月の全国高校選抜で同階級を制した石川英虎(ひでとら、士別翔雲3年)が、スナッチ116キロ、ジャーク142キロ、トータル258キロと、いずれも北海道高校新を記録して大会3連覇を飾った。春の全国初Vで、挑戦者から王者へと立場が変わった。

常に全国舞台を想定して取り組んできた成果は、高校最後の夏に全国2冠という結果で示しにいく。

 失敗を繰り返すわけにはいかない。ジャークの2回目、自身の持つ北海道高校記録を1キロ上回る142キロに挑むも失敗。動揺もあったが「インターハイ優勝を考えると、ここはしっかり取り切らないとダメ」と切り替え、3回目はしっかりと成功させた。北海道高校記録更新に大会3連覇を飾るも「あと一歩、力及ばずという感じ」と満足することはなかった。

 3月の全国高校選抜で初優勝を飾った。「これからはチャレンジャーじゃない。チャンピオンの座を守らないと」。同大会で1キロ差の2位選手と2キロ差の3位選手はともに2年生。「夏は意地を見せないといけないから」。牙城の維持へ、帰道後は私生活から見直した。「最終的には運も絡んでくる。

人間性をきちんとしないと」。あいさつや時間厳守など細心の注意を払った。

 当然、競技への貪欲さも忘れてはいない。強豪大学の指導者に練習法を聞き、課題の下半身強化に取り組んできた。教育実習で母校に来ている今年の全日本選手権女子71キロ級を制した瀬川瑠奈(東京国際大4年)には、体幹の鍛え方などを教わった。全国高校総体本番までやれることは全て取り入れていく。

 選手だった父の影響で小3から競技を始め、全国2冠を狙えるところまできた。「最後の夏、最高の成績で終わらせたいから」。8月に鳥取で迎える本番へ、石川が研さんを積んでいく。(砂田 秀人)

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