◆明治安田J2第17節 水戸1―0富山(8日、富山県総合運動公園陸上競技場)

 カターレ富山は0―1で水戸に敗れた。6連勝の水戸に対し、富山は3月9日に勝利して以来14戦勝ちなしとなった。

5月末に安達亮監督が就任して初のホーム戦を迎えたが、大声援を送ったサポーターに白星はプレゼント出来なかった。安達監督は「悔しいですね。今のカターレにとって勝ち点ゼロは非常に痛い。でも秋田、水戸との試合で、やらなければいけないこともハッキリ見えてきた」と前を向いた。

 シュート数は6対9と下回ったが、序盤からシュートチャンスは作ってきた。ただクロスの精度を欠き、前線でボールがキープできず、シュートミスも痛かった。堅守に苦戦する中、前半43分にハーフウェーライン付近からパス1本で突破され、飛び出していたGK田川知樹(22)の頭上を越えるシュートで先制を許した。

 安達監督は「イージーな失点だったが、それを返せないのが現状の力。一番気になったことは、普段の練習で出来ているのに、本番で出来ない部分があった。苦労して昇格し、降格しないように順位を一つでも上げたい思いはあると思うが、あまりにも硬いというか…。ロッカーでは、もっと楽しむようにと言いました」と振り返った。

 チームトップの5得点を挙げていたFW碓井聖生(23)のJ1福岡への移籍が決まり、チームは大ピンチを迎えている。

得点は16点とリーグワーストで、順位はJ3降格圏内の18位のまま。この日は主にサイドハーフを任されていたFW吉平翼(27)を約2年ぶりにFWに抜擢したが、結果は出せなかった。碓井の移籍について、安達監督は「彼の決定力は非常に高く、アバウトなボールでもなんとか得点してくれた。(移籍は)非常に良いステップアップだし、海外を目指す選手も多いので頑張って欲しい」と理解を示す。“兄貴分”の吉平は「彼の選択は当たり前だし、サッカー人生は長くない。チームとしては痛いが、FW陣にとってはチャンス。それをつかめる選手が上に行ける」と話した。

 安達新体制で目指すサッカーは、下がって守るよりも、積極的にボールを奪い点を取りに行くスタイル。「ディフェンシブな戦いばかりでは、力負けしてしまうリーグだと思っている。個人(の決定力)に頼ることが多いのがサッカーですが、得点に結びつく形は作れる。そこは自信があります」。エースの流出も乗り越え、新たなスタイルを構築する。

(中田 康博)

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