殿堂に名を刻んだイクイノックスを管理した木村哲也調教師は、今週末22日G3の2鞍にそれぞれ管理馬を送り出す。新設重賞のしらさぎS(阪神)に昨年の牝馬2冠馬チェルヴィニアが、府中牝馬S(東京)には23年のNHKマイルC2着のウンブライルがスタンバイ。
オークス、秋華賞と圧巻の走りを見せたチェルヴィニアだが、その後3戦は未勝利。巻き返しを期して臨む一戦は、桜花賞以来のマイル戦となる。近2走が手応えの割に伸びていないことと、体に筋肉がついたことを考慮しての選択。太田助手は「直線でのメリハリがつくようにマイルを使う。現状は体をもてあまし気味だが、乗り込める下地はあるので何とかしたい」と慎重に評価した。実績は最上位。木村調教師が「最初に坂路で見せた動きから、過去の管理馬に匹敵する素質を感じていました」と絶賛する能力で不振脱却を図る。
ウンブライルも近走結果は出ていないが、15日の美浦・坂路で53秒3―11秒9の好時計をマークし状態の良さは光る。同助手は「あとは気持ちをファイトさせられれば」と精神面をポイントに挙げた。激走の気配は十分に漂っている。
◇しらさぎS 20年からサマーマイルシリーズの第1戦として行われていたリステッドの米子Sが前身で、今年からG3に格上げするとともに、しらさぎSに改称された。
◇府中牝馬S 阪神・芝2000メートルで行われていたハンデキャップ重賞のマーメイドS・G3が名称変更とともに、舞台を東京の芝1800メートルに移した格好。これまで10月に行われていたアイルランドトロフィー府中牝馬S・G2は、アイルランドトロフィー・G2(今年は10月12日、東京)として行われることになった。