日本人初のウエルター級世界王者を目指すWBO同級2位の佐々木尽が17日、横浜市内のホテルで、WBO同級王者ブライアン・ノーマンへの世界初挑戦に向けて会見に臨んだ。王者と同席で会見し、下馬評では劣勢とされる中、「8―2で自分が勝つ」と豪語。
視殺戦は、23秒に及んだ。佐々木とノーマンは、2ショット撮影の後に司会者から促されてフェースオフに突入。表情を変えずに向かい合った両者は、司会者が「ありがとうございました」とアナウンスしても視線を外そうとしなかった。さらに2度、終了を促されたが、にらみ合いは続いた。最後は司会者が割って入り、強制終了。視線で闘志をぶつけ合った。
ミニマム級(47・6キロ以下)からミドル級(72・5キロ以下)までの13階級で、ウエルター級は日本人が唯一、戴冠したことがない未踏峰だ。英大手ブックメーカー「ウィリアムヒル」の勝利オッズは、ノーマン防衛の1・25倍に対し佐々木勝利は4倍と大差をつけた。しかし佐々木は、勝率8割と豪語した。
「厳しいなという声がすごい多いが、勝った時にそっちのほうが盛り上がる。今の自分の実力からして、客観的に見たら8―2ぐらいで自分が勝つと思っている。試合に勝った後の盛り上がりが楽しみです」
ノーマンの前に置かれたWBO世界王者のベルトを目にすると、あふれ出る思いを止めることができなかった。「ここで勝つのは僕なので、絶対にこのベルトを離さない。ノーマン選手がベルトに見えてしようがない。ノーマン選手が欲しくてたまりません」と感情を高ぶらせた。
横浜市はこの日、最高気温35度の猛暑日を記録したが「7月生まれなので暑いのは大好き。自分の気持ちの方が熱くて、気温の暑さなんて消しちゃうぐらいのパワーを持っている」と佐々木の闘志は沸点に達している。「この2か月、脳が壊れちゃうんじゃないかと思うぐらいの精神状態で生きている。夢だった世界王者まであと一歩。夢を夢で終わらせたくない」。日本のボクシング史を変えるため、人生のすべてをぶつける。
ノーマン「(佐々木の勝率は)80%? それだけかよ。正直にさらけだしてくれることはリスペクトしているが、こちらは100%準備万端の臨戦態勢で試合に臨む。純粋に戦う事が好きなので、楽しんで戦いたい」
井上尚弥がXでエール「歴史を変えてくれ」
〇…スーパーバンタム級の世界4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が自身のXで「歴史を変えてくれ」とエールを贈った。「佐々木尽の楽しみがあふれゃって伝えたいことが上手く伝えられないところもまた魅力(中略)ノーマン選手が欲しくてたまりませんは反則です(泣き笑い顔の絵文字)」とポスト。モンスターからの激励に佐々木もリポストし「嬉しすぎます! 初めて上手く伝えたいことが伝えられない自分が嬉しくなりました笑」と大感激だった。