東京ディズニーリゾート(TDR、千葉・浦安市)を運営するオリエンタルランド(OLC)の高橋渉代表取締役社長(兼)COO(67)が、スポーツ報知などの取材に答え、10年後のTDRについて語った。
4月1日に就任した新社長は「2035長期経営戦略」を発表し「大胆に絵図を描いていく」とランド(TDL)とシー(TDS)のエリア刷新の構想イメージ画像2枚を公開した。
1981年入社で83年4月のTDL開園当時は、開発本部で「借入金の資金調達に走り回っていた」という。小雨降るオープニングセレモニーに立ち会い、感激した原体験がある。
「変えていけるものと変えてはいけないものがある。TDLグランドサーキット・レースウェイは、美女と野獣エリアに変身した。TDSファンタジースプリングスもできた。変えてはいけないものは、ウォルト・ディズニーが夢見た世界。TDLウエスタンリバー鉄道は、ウォルトが最初に自分の庭に作って楽しんだもの。この辺を見極めていく」
夏の猛暑による入園者減対策に、今年は新企画を打ち出した。7月2日に開幕する夏のスペシャルイベント「サマー・クールオフ at TDR」では、Mrs.GREEN APPLEがテーマソングを担当する。
批判の声も届いている。「ディズニーの財産を諦めたのかとも言われますが、いろんな楽しみ方がある。すべてのところでゲスト目線でどう楽しんでいただけるかが、この事業の大切なところなんです」。10年先を見据えた布石を毎年、打っていく構えだ。(取材・構成=酒井 隆之)
◆パークホテル一体化新ビジネスチャンス
〇…28年度就航のディズニークルーズについて「テーマパークとディズニーホテルが一体化したもの」と高橋社長。「TDRもまだ土地は残ってますけど、クルーズは土地の制約がないのが大きい」。人気のTDS「ブロードウェイ・ミュージックシアター」は抽選に当たらないと入場できないが、1250室、4000人が乗船できるクルーズは「同じぐらいのスケールの劇場があり、3回公演なら希望者全員が見られる。今まで日本にはなかった新しいビジネスチャンスがある」と自信を込めた。
◆高橋 渉(たかはし・わたる)1957年7月19日、千葉・浦安市生まれ。67歳。関大文学部卒業後、81年4月にオリエンタルランド入社。